和食と欧米型の食事は「どちらが体に良いのか」

日本経済新聞によれば、肉、パン、乳製品といった「欧米型の食事」を多くとる人は、少ない人よりも死亡リスクが低くなる傾向があるという研究結果が出たそうです。これは、国立国際医療研究センターと国立がん研究センターが、大阪府、沖縄県など9府県の40~69歳の男女約8万人を1990年代から約15年間追跡調査した分析結果です(図表も同紙から)。

欧米型の食事の傾向が最も低いグループを1とすると、傾向が高くなるにつれて死亡リスクは低くなる傾向がみられます。グループ3が4よりも低くなっていますが、統計的には有意な関係は無いそうです。

従来の日本の食生活の常識は、和食はヘルシーで欧米型の肉食は不健康というものでした。しかし、和食は、ご飯で大量の糖質を摂取し、漬物やみそ汁といった塩分の濃い料理と一緒に楽しむ食事です。日本食というのは、ご飯のでんぷんから生まれる甘みとおかずの塩分が口の中で一体化することで満足感が生まれるのです。

銀シャリがあれば、明太子や漬物だけでごはん3杯食べられる。それくらい和食は美味しい。でも、塩分が強く、実は不健康な食事だと思います。

2月から始めた「緩い糖質制限」は今も続いていますが、2月に69㎏以上あった体重は65㎏台まで落ちてきました。やったことといえば、ごはん、うどん、そば、パスタ、パンなどの炭水化物をできるだけ食べないようにして、日本酒やワインの代わりにウィスキーを飲むようにしたことだけです。MCTオイル(中鎖脂肪酸油)などのサプリメントも使っていますが、何かを我慢するという感じではなくナチュラルに続けています。

食事の量はコントロールせず、好きなだけ食べて飲んでいますが、和食を食べる回数は激減しました。ラーメン、そば、うどんはほとんど食べなくなり、定食屋さんに行っても、ご飯は小さいものを注文し、半分以上残す。おかず中心に食べています。

逆に摂取量が増えたのが、肉、野菜、チーズ、ナッツ、フルーツです。お腹が空くと我慢しないで、コンビニで売っているチキンの丸焼きやチーズ、ナッツを食べています。食事は焼肉が増え、肉とキムチやナムル、スープを食べて、炭水化物は出来る限り封印。サラダバーのあるお店に行ったり、ステーキ店に行くことも多くなりました。

体重が減ったことイコール健康とは限りませんが、体のキレが良くなり、日中眠くなることが少なくなり、夜はぐっすり寝られるようになりました。健康診断の数値も改善傾向にあります。

何を食べれば健康になるのかは、科学的な研究でもまだわからないことが多いですが、日本人が摂取しがちな塩分と炭水化物を控えて、それ以外は何でもバランス良く食べるのが良いというのが私の考えです。例えば、体に悪いと言われる脂身の肉であっても、科学では解明されていない効能が含まれているかもしれません。極端な食生活は、我々がまだ気が付かない大切な食の要素を手に入れる機会を失ってしまうリスクがあるのです。

緩い糖質制限という「リアルな人体実験」をこれからも続けていきます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。