いよいよ東京都議会本会議第二回定例会も終わり戦闘モードになってまいりました。一期四年を締め括る最後の本会議発言「討論」お姐が担当させて頂きました。
※動画はこちら。平成29年第二回定例会6月7日00:55:25あたりから、お姐が登場します。
NHKやTBSなどでも自民党との対立という姿で取り上げられてましたが、私からすれば、07年初当選以来、自民党東京都連(都議会・区市議会)が隠然と都内の議会運営を仕切り、改革マインドを持った議員として煮え湯を飲まされ続けてきたわけで、親の仇の集大成となりました。
小池百合子知事においては、その組織の内部にいて、どれほどのことがあったかは想像を超えるものがあります。
そこで、
地域住民を守るための自由か。
監視・忖度・統制か。
自由主義者のお姐として、魂を込めて政調スタッフとともに作り上げた渾身の「作品」を一挙ご紹介いたします。
平成29年6月7日
都民ファーストの会東京都議団 上田令子
平成29年第2回定例会 討論
いよいよ「東京大改革」は具体的に
都民ファーストの会東京都議団を代表し、小池百合子知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第4号に反対する立場から、討論を行います。
今定例会は、知事による所信表明、代表・一般質問、各委員会を経て知事提出議案と議員提出の条例案1件、都民からの請願・陳情が審査されました。
先の定例会におきましては、小池知事が初めて編成した一般会計当初予算が、昭和48年以来、44年ぶりに全会一致で可決・成立いたしました。予算成立により、東京大改革は大筋として本格軌道に乗りました。本定例会におきまして知事より提案された各議案は、具体化に向けた個々の政策の裏付けをもたらすものです。
情報公開の基本なる「公文書管理条例」に賛成
まず、第90号議案「東京都公文書の管理に関する条例」について、申し上げます。本条例案は、これまで各執行機関において、規則等を定め、規則等に基づき文書を管理してきたものを、公文書が都民による都政への参加を進めるために不可欠な都民共有の財産であることを明らかにするとともに、その適正な管理を図り、もって都政の透明化を推進し、現在及び将来の都民に対する説明責任を果たすため、条例に格上げし、新設されました。
具体的には、実施機関の責務として、各執行機関に、公文書を適正に作成し、管理すること、職員に対し、研修を実施すること、文書により事案を決定することを義務付け、重要な事案の決定に当たっては、文書を作成・整理及び保存を適正に行い、廃棄や菅理状況の点検等を求めております。
現在、国におきましては、PKO活動や学校認可を巡り、防衛省や文科省におきまして、行政執行の適正さに疑義が生じる原因として、公文書管理のあり方が大きく注目されております。この事態を他山の石とし、公文書管理の適正化を担保し、都政運営をブラックボックスから検証可能なオープンなものとしていくべきです。
合わせて、閲覧手数料を廃止し、写しの交付手数料を軽減する第100号議案、情報公開条例等の改正にも、賛成いたします。
知事給与50%カットの1年延長
次に、第92号議案「東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例」は、知事の公約に基づき、都政改革の更なる推進に向けた知事の決意及び姿勢を明らかにするため、知事の給料等を50%減額する特例措置を、1年間延長するものです。議会としても、これに則った対応をすべきと申し添えます。
知事公約の無電柱化を推進
第109号議案「東京都無電柱化推進条例」です。これも知事の公約に基づき、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保及び良好な都市景観の創出に向けて、無電柱化の推進に関する施策を総合的、計画的かつ迅速に推進するものです。2020年に向け、都市景観の改善とともに、来るべき首都直下地震や大規模水害に備えて、無電柱化は遅滞なく進められるべきです。
葛西臨海公園カヌー・スラローム場の工事にお姐から一言
契約議案につきまして、一言申し添えます。第123号議案「カヌー・スラローム会場整備工事請負契約」については、円滑な事業実施のため、過去の経緯を踏まえ、工事実施にあたり周辺住民と環境への配慮を引き続きお願いいたします。
共産党提案のシルバーパス拡大はバラマキにならずに検証を
議員提出議案第4号シルバーパス条例の一部を改正する条例であります。私どもの昨年の決算審査において、平成19年度からこれまで、福祉保健費が平均して、4.42%増加し続けており、景気変動の影響を受けやすく、極めて不安定な形で増減を繰り返す法人二税と福祉保健費が2028年にはほぼ同額となり、都税収入の34.8%を占める法人二税で、福祉費用が賄えなくなってしまうのかもしれないことを指摘しました。
このような財政状況を鑑みますと拙速な判断はしかね、継続した審議を求めましたが否決をされましたことから、議会運営上やむなく賛否を問われ反対という判断をさせていただきました。7月の改選を経て東京大改革のもとの新しい都政において、日暮里舎人ライナー、多摩都市モノレール、ゆりかもめの利用をしたい健康な高齢者需要と中長期的な財政予測を鑑み引き続き検討検証を重ねてまいります。
「都議会改革条例」は政党のパフォーマンスではなく全体で取り組みを
最後に、議員提出議案第10号「東京都議会基本条例」についてです。条例研究をされ、議員提案された各位には敬意を表しますが、議会改革は各会派が一致して、取り組まなければならないことは、法政大の廣瀬克哉教授をはじめ指摘するところです。今任期では、都議会のあり方検討会が設置されたものの、少数会派が加われず、旧態依然とした都議会制度・慣習の改革について前進が見られなかったことは、極めて遺憾です。
来期においては、オール都議会にて議会基本条例の制定を含め、実効性を伴う都議会改革が都民とともに検討され、具体的に実現していくことを切望し、引き続きの課題とすべきと申し添えます。
豊洲新市場移転を政争のおもちゃにするな!
また、本定例会におきましては、中央卸売市場移転問題や受動喫煙防止施策につきましても、闊達な議論がありました。
豊洲新市場につきましては、昨年の移転延期の決断以降、盛り土の問題が発覚し、施設の使い勝手の悪さなども市場関係者からも指摘されるところです。これらの問題は、食の安全・安心を最優先に対応するとともに、市場事業者の安定的な事業継続が確保されなければなりません。
一部の会派からは、知事の姿勢を「決断できない」と根拠無く批判し、早期移転を求める声が聞かれました。市場問題の早期決着を求める都民の声は、日に日に強くなっていることは痛感しております。だからこそ、「いったん立ち止まる」姿勢、徹底調査の上、全ての情報をオープンにする姿勢が求められます。盛り土問題に象徴される諸問題の根源的な原因は、都政における意思決定のブラックボックス、都民参加の不在にあるのは、火を見るより明らかです。ブラックボックスに光を当て、都民に見える形で選択肢を示して、手続きを踏んでいくことが問題の正常化につながります。今までの都政が怠惰にも放棄し、ごまかしてきた、正統な合意形成と納得を確立していくことについて、政治問題化させ、批判のための批判を繰り返すことこそ、議会人として無責任のそしりは免れません(お姐注:この時ものすごいヤジが飛ぶ)。
都議会としては、経済・港湾委員会とともに、2つの特別委員会を設置して、市場移転問題を調査して参りました。調査の成果として、報告書が上程されております。限られた期間であったにもかかわらず、休日返上で調査が行われ、段ボール百箱を超える膨大な資料を精査し、証人尋問、参考人質疑を敢行された後、谷村委員長の下、各委員に加え、議会事務局の努力もあって、非常に明瞭かつ的確で、とてもわかりやすく、読みやすい報告書ができあがったと高く評価するものです。
我が会派は、百条調査報告書に報告書に賛成するとともに、偽証を認定した2名の証人の告発を求めるものです。議会の権威を傷つけ、真実を隠匿しようとしたことは許されることではなく、両人については、司直の手により、速やかな処断がされることを希望いたします。
受動喫煙対策は都議会の全面禁煙から始めよ
さて、先の知事選におきまして、小池百合子知事は公約の中に受動喫煙対策の推進を掲げており、都民ファーストの会としても、受動喫煙、いわゆる「煙害」を防止し、被害者、特に子どもを保護するための施策は、まさに都民ファーストの根幹をなすものであり国や他自治体を先導すべく、大いに取り組むべきと考えます。
先の我が会派の音喜多議員の一般質問への知事答弁では命と健康を重要視され
「特に、未成年の従業員や妊娠している方、食事をする場所、遊ぶ場所などを自分で選ぶことができない子供たちを望まない受動喫煙から守ることは非常に重要だと思う」
旨を述べられました。
今後の施策展開、特に条例化の検討にあたりましては、事業者のみならず、議論を広汎に求め、罰則についても実効性を担保するためには、国の動向を注視しつつも躊躇なく、都全体で検討されるべきです。罰則の構成要件を厳格化するとともに、義務履行確保、すなわち受動喫煙防止のための措置を徹底するための具体的な措置を条例に定め、実効性を確保することが不可欠です。
現在、喫煙している場に、非喫煙者が入っていかなければならない場面があり、私も多々経験があります。都民ファーストの会といたしましては、隗より始めよということで、煙害の中、陳情・傍聴に訪れなければならない都民の健康を守るため都議会議事堂の全面禁煙を強く求めるものです。
まとめとして~「都民と進める!東京大改革」宣言
いうまでもなく、知事と議会は、憲法に定める地方自治の本旨に則り、二元代表制の下、車の両輪として機能していくものとされております。都民益の具現化に向け、両輪が切磋琢磨していかなければなりません。仮に片輪が改革を進めようとする時に、もう一方が現状維持と悪しき既得権に固執し、抵抗し、回転を妨げては、都政は停滞を強いられ、グローバル規模の都市間競争の中、都民益は日々、失われていくばかりです。
都政改革は、一日一秒たりとも止めてはいけません。
我が都民ファーストの会は、「都民と進める!東京大改革」と高らかに掲げ、個々の自由意志のもと問題意識を深く議論し、小池知事の都政改革を加速度的に進めていく先兵となることを都民各位にお誓いすることを宣言し、以上を持ちまして、討論を終わります。
ご清聴、ありがとうございました。
お姐総括
改革は、改革をしたことがある人にしかできない。
改革を一人で実際にやってきた身からすると、生半可なものではなく、改革ブームに乗っかっても到底なしうるものではありません。もちろん「改革風味」も無理。帰って傷口が広がるだけです。
党派を超えて、ひとり、ひとり個々のまっとうな議員が構成員になっていくことこそが議会改革の第一歩!
☆お姐、改革の茨の道をハナミズキ咲く遊歩道に!!☆
上田令子 プロフィール