それは、高品質の料理を提供していると思われるいくつかのレストランチェーンが掲載されていないことです。
例えば、叙々苑です。六本木にリニューアルオープンした本店は雰囲気も接客も良く、肉質も最高。生で運ばれてくる厚切り牛レバーは臭みがまったくなく、そのままごま油と食べても問題ない品質です。肉だけではなく叙々苑サラダや冷やしトマト、キムチ盛り合わせ、にんにくの素揚げまで、上質で丁寧なお料理ばかりです。ユッケジャンスープ(写真)も味のバランスが抜群。そして特筆すべきは、白米のおいしさ。緩い糖質制限を続けていますが、叙々苑に行った時だけは、自分へのご褒美としてライス小を完食しても良いことにしています。
叙々苑以外にも、しゃぶしゃぶのざくろ赤坂店、ステーキハマ六本木店、ウエスト青山本店といった昭和の名店は、変わらない味を守り、それが未だに多くのファンに支持されています。しかし、どのお店もミシュランには掲載されていません。
その理由はどこにあるのでしょうか。
まず考えられるのが、チェーン店は評価の対象外になっていることです。しかし、世界中にチェーン展開している高級フレンチのロブションは三ツ星レストランの代表として、あちこちで掲載されていますから、そうだとすればフェアではありません。叙々苑はお店によってバラツキがありますが、これも店舗を特定して掲載すれば問題は解決します。
あるいは、ミシュランがこれらのお店の存在に気が付いていない。これも可能性は低そうです。銀座の裏通りの小さなラーメン店まで網羅している取材力があるのに、これだけの有名店を1つも知らないというのは考えにくいです。お店が取材拒否しているという噂も聞きません。
となると、残る理由としては、ミシュラン調査員と私の味覚が全く異なるということくらいしか考えられなくなります。
食に対する評価というのは主観的で、曖昧なものです。子供の頃の食習慣によって、その人の食の好みが決まるともいわれています。食べログのレビュアーの評価にしろ、ミシュラン調査員の評価にしろ、人間が評価しているという点では同じです。
もし私が気に入っているお店がミシュランに掲載されてしまうと、きっと世界中から観光客が押し寄せ、予約が取りにくくなってしまうことでしょう。そう考えれば、グルメ評価サイトやグルメ本の評価が自分とズレていればいるほど、人気店になりにくくメリットがあることになります。
食というのはどちらが正しいという「正解」があるものではありません。自分の趣味嗜好の合う人と情報交換して楽しめば良いと思います。
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