海外送金のストレスを解放するために、付き合う銀行を変える

海外不動産投資で最もストレスフルなのが、日本国内の銀行からの送金手続きです。

新興国に購入した物件の購入資金の一部を送金する必要があり、日本の銀行にあるドル預金を別の銀行の国内口座に移し、そこから海外送金をかけることにしました。国内の自分の銀行口座から、国内のスイス系銀行の自分の口座への米ドルの振り込みです。

国内間で外貨の送金をしたのは初めてでしたが、まず振り込み手数料として4000円がかかると言われました。円の国内送金なら、高くても800円程度。通常は振り込み手数料無料の銀行を使っているので、外貨の場合の手数料はかなり割高です。

円で送金すれば送金コストは下がりますが、その場合は一旦円に両替が必要になりますから、今度は為替手数料が取られます。さらに送金先の銀行でまた米ドルに換えて海外送金すると、為替手数料が往復で取られますから、結局メリットはありません。仕方ないので4000円払って残高全額の送金手続きを依頼しました。

この銀行では、外貨送金は国内でも海外でも新しい登録には店頭での用紙の記入が必要です。店頭で用紙の記入が終わると、今度は資金の出所を聞かれます。

マネーロンダリングの防止が目的だと思います。海外で投資していた資金がかなり前に戻ってきたものと説明すると、その取引を証明する契約書などを提出するように言われ、資料を見せて何とか納得してもらいました。

これで終わりかと思いきや、今度は振り込みの目的を聞かれました。自分の口座のお金を自分の別の銀行口座に振り込むのに、なぜ目的を言う必要があるのでしょうか。これもマネーロンダリングの防止のマニュアル通りの対応なのかもしれませんが、自分の国内口座間で円の振り込みは何も言われないのに、外貨になると、あれこれ質問されるのは、何とも不思議です。

さらに最後は「上席からのご挨拶」までありました。出金してしまう顧客に対して、銀行員がお礼をする訳はありません。「ご挨拶」の目的は、責任者による顧客に不審な行動が無いかのチェックのようです。コンプライアンスの「セレモニー」が終了し、ようやく全ての手続きが終了しました。

ここまでで約1時間。店頭が空いていてこのくらいの時間がかかりますから、送金だけで2時間かかることもあります。

今後も海外不動産購入に伴う、支払い予定がありますが、毎回こんなに時間をかけている余裕はありません。そこで記入用紙を送付すれば、店頭で待つことなく外貨送金手続きをやってもらえるスイス系銀行に資金移動し、外貨取引は集中させることにしました。これで海外送金のストレスから少し解放されそうです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年6月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。