蓮舫事務所が国籍喪失の申請をしたのは9月6日なので、わずか1週間で許可が下りることはありえない(通常は2ヶ月以上かかる)。先週は弁護士が「証拠として国籍離脱申請書を出す」といって失笑を買ったが、今週になって許可書が出てきたのもおかしい。
しかも台湾政府のウェブサイトには、12月17日まで「10月17日に内政部で審査が終わって外交部に送った」と書かれていたので、3ヶ月以上も遡及して国籍喪失を認めたことになる。この日付の遡及だけでも、公的記録を改竄したことは明らかだ。
さらに奇妙なのは、彼女のパスポートが1984年7月15日に失効していることだ。台湾政府の国籍喪失には現在有効な中華民国の旅券が必要なので、このパスポートでは国籍喪失の許可は下りない。
これは一般人の場合には大した問題ではないが、彼女は「私は在日の中国国籍」などと公言する一方、2004年の選挙公報に「1985年に台湾から帰化」と書いた。これはどちらかが嘘である。きょうの会見では「帰化」が虚偽記載だったことを認め、「台湾籍を抜いていないとは知らなかった。故意ではない」と弁解したが、それなら90年代に「二重国籍」を売り物にしたのはなぜか。
答は彼女が二重国籍の事実を知りながら「帰化した」と嘘をついたということしかない。パスポートが失効していることは知っていたかもしれないが、それは一般人ならばれない。ところがアゴラで指摘され、30年以上たってから台湾代表処に持って行っても、パスポートが失効しているので国籍喪失の手続きはできない。
ここから先は推測だが、蓮舫事務所が台湾代表処に「政治的配慮」を求めたのではないか。彼女が二重国籍だということが確定すると民進党代表の地位が危うくなるので、台湾政府が超法規的に旅券を更新し、遡及して国籍喪失を認め、彼女はこの事実を口外しないという取引をしたのだろう。
しかしこの嘘は、辻褄が合わない。パスポートが1984年に失効していたら2016年に国籍喪失の手続きはできないし、国籍喪失できたとすれば有効なパスポートをもっていたことになる。これは絶対絶命の二律背反だが、ただ一つ明らかなことがある:彼女は嘘をついているということだ。