「解党的出直し」でなく「解党」を:民進党の進むべき道

岸本 周平

東京都議選では、自民党が歴史的敗北、小池都知事の都民ファーストが圧勝。その陰で、民進党は、選挙前から優秀な人材が都民ファーストに流れた結果、わずかに5議席と政党の意義を失いました。選挙中、稲田防衛大臣の失言や自民党国会議員のスキャンダルなどで安倍内閣の支持率が下がり、自民党はダメ。しかし、民進党はもっとダメ。という選挙結果。

都民ファーストは、一昔前の新進党モデルで勝ちました。つまり、労働組合の連合と公明党に加え、保守政治家の組み合わせです。その中心は、前回は小沢一郎、今回は小池百合子。小池知事は新進党の出身です。

フランスでは、社会党、共和党と左右の既成政党が人気を失い、中道のマクロンが圧勝しました。アメリカのトランプ大統領も政治の素人の勝利でした。今、安倍内閣は、「記憶にない、記録にない。」とのごまかしの姿勢と、国民を「こんな人たち」と呼ぶ上から目線で自滅しています。

野党に絶好のチャンスが来ていますが、第1党の民進党はお家芸の「内輪もめ」で、代表も幹事長も辞任して総崩れです。

何より、旧民主党時代以来、選挙による政権交代という歴史的な使命を果たした後、新たな使命を見いだせなかったことが最大の問題だと考えます。どの政党でも、政策の幅はあるものです。党内での徹底した議論の末、決まったことには全員で従うというガバナンスが確立できないことも、歴史的使命を終えた以上いたしかたないのではないでしょうか。

「解党的な出直し」ではなく、まさに解党して一からリセットし、野党再編の核になることを目指すべきです。

日本でも、既成の政党以外の受け皿が求められている状況です。日銀や国の年金基金に株を買わせて、無理やり高度成長の夢を追いかけるアベノミクスとは正反対の地に足の着いた経済政策で、貧富の格差を少なくしていくことも必要です。穏健で、日本の文化や伝統を守る、ハト派の落ち着いた中道の政治が新しい流れになって、日本の政治を変えていくよう頑張ります。


編集部より:このブログは衆議院議員、岸本周平氏の公式ブログ、2017年8月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、岸本氏のブログをご覧ください。