池田信夫氏に聞いてみたい「日銀の出口」

内藤 忍

トランプ政権や北朝鮮情勢など、個人投資家を不安にさせる要因が増えてきていますが、それらと並んで日本の個人投資家が注目すべきなのが、日銀の金融政策の行方です。

現在、日銀は年間80兆円を目途に市場から国債を購入するとしています(実際の購入は60兆円程度)。既に発行されている国債の半分近くを日銀が保有し、国債マーケットの流動性は低下しています。このまま今のペースで購入を続ければ、どこかで限界点に到達します。

日銀が保有している国債は、残高が積み上がり、400兆円を超えています(日銀の直近のバランスシートはこちら)。これらは、金利上昇リスクにさらされています。もし、このまま保有した状態で、市場金利が上昇すれば、日銀が保有する国債の価格が下落し、含み損が発生することになります。日銀が実質的な債務超過になれば、中央銀行に対する信任が低下し、円が下落する可能性もありえます。

ところが、経済学者の一部には、このような最悪のシナリオを否定し、財政赤字問題に関して、極めて楽観的な意見を持っている人たちもいます。

どちらを信じたら良いのでしょうか。

過去の経験から言えることは、著名な学者だからと言って、意見を鵜呑みにしてはいけないということ。マーケットの動きは、学者にも予想できないからです。個人投資家としてベストな対応は、想定される複数のシナリオを押さえ、「最善を望みながら最悪を覚悟する」というスタンスで、どちらに転んでもパニックにならないよう、今から準備をしておくことです。

すでに800名近い事前お申込みが入っている8月26日の第6回世界の資産運用フェアでは、日本の金融・財政政策に関して積極的に情報発信をしているアゴラの池田信夫氏に話を聞き、来場の投資家の皆様にわかりやすく解説します。池田氏の登壇は17時半からのセッションを予定しています。

第6回世界の資産運用フェア(概要と事前の無料登録)

池田氏の意見は、日銀の「財政ファイナンス」はフリーランチかにも書かれていますが、投資家が知りたいのは、その影響が将来のマーケットにどのように出てくるかです。

目先の相場の変動ではなく、中長期的な見通しをもとに資産を守り増やす。そのために必要な情報を当日のパネルディスカッションで提供したいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。