なぜ健康を考える上で「1」という数字はリスクなのか?

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

あなたは健康になるためにこれまで色んなことに挑戦したと思います。

「太ってしまったから一日3食をやめて2食にしよう」

「カルシウム不足っぽいからサプリを飲んでみよう」

「体を絞りたいから筋トレを始めよう」

そんな具合に思いつきで健康食、運動、サプリへと手を伸ばし、そして失敗した経験がないでしょうか?なぜうまくいかないのか、今回の記事を最後まで読んでいただくことでその疑問が氷解されることでしょう。

さて、ビジネスの世界では「1」という数字はリスクと言われています。

1つだけの取引先

1つだけの商品

1つだけの収益源

…何が問題かもうお分かりですね?もしもたった1つの商品が仕入れできなくなったら?取引先が倒産してしまったら?そうなると即ビジネスが立ち行かなくなってしまうという、ろうそくのような頼りない灯火です。ビジネスの世界で「1」というのは「依存」を示すわけです。

そしてこの1という数字のリスクは、健康を考える上でも同じことがいえます。あなたが健康になりたくて、これまで運動をしてみたり、サプリを飲んでみたりしても叶わなかったのはこの1が原因だったのではありませんか?

人の体は複雑系で出来ている

人間の体も複雑系で出来ているんですよ。そのため、ダイエットや栄養、病気になった時に何か一つだけをして解決しようとするのはその複雑系のあり方に反していると思うわけです。

私の友人に小太りの男性がいます。彼は仕事が毎日深夜までの残業続きで、食事は夜中に帰宅してから牛丼やコンビニ弁当。運動もろくにしていなかったので、私より10cm低い身長で10kg以上の体重という具合でした。彼は婚活を機に痩せることを決意、筋トレグッズを買ってマラソンをするようになり、熱心に運動をはじめました。食事量はそのままに運動だけをスタートしたことで、一応体は締まっていき、小太りではなく絞った肉体へと変わりました。ところが、彼はかえって胃を悪くしてしまいました。モリモリと食事をした後に運動をしていたので、食後の胃が消化不良を起こしてしまったためです。腹痛を感じていたのに

「運動不足のせいだ」

と考えて走り続けた結果、どんどん胃が悪くなってしまいました。また、炎天下の中でも精力的に運動をしていたので、たくさんの紫外線を浴び活性酸素も出来てしまったでしょう。その後、運動をして体調不良になってしまうので、運動はやめてしまい、また少しずつ太っていってしまいました…。

不足に強く、過剰には弱い人の体

彼は本来、「食事改善と軽い運動」という組み合わせでいくべきところだったと考えます。それなのに、「激しい運動をしてカロリーを燃やそう!(食事は何の改善もせず…)」という1つの解決方法に絞ってしまったためにうまくいかなかったわけです。

これはサプリなどにも言える話です。亜鉛不足に悩んでいる人が亜鉛サプリをガバガバ飲んで過剰摂取になると、貧血を引き起こしたり免疫力が低下するなどの症状が出てしまいます。また、サプリを過信するあまりに普段の食事が適当になったり、甘いものなどの嗜好品を食べすぎてその結果として不健康になったら意味がありません。

「健康になりたい」と思ったら食事だけ、運動だけ、サプリだけでなんとかしようとするのではなく、 「それぞれ同時並行で適量取り組む」というのが答えだと思うんですよね。つまり、軽い運動を始め、できるところから食事改善をして、足りない栄養素のサプリを飲む、というものです。決して何か1つのことを頑張って過剰になってはいけないということです。なぜ一つのことを過剰にやると逆効果になるのか?

その理由は人間が

不足への耐性はあっても、過剰には脆い

という特性を持っているからです。食事回数を少なくしても人間はある程度耐えられるようになっています。食事をした時の吸収力をアップさせ、空腹感を抑えるように適応する力を持っています。しばらく食べる量を減らしてその結果リバウンドをするのは、人類の歴史の中で飢餓に耐えるようになっているからであり、不足への耐性に強いことを示しています。

反面、人は過剰には弱いんですよね。おいしいからといって、食べ過ぎるとあっという間に太ってしまい、病気になります。そのまま食べ続けることで耐性ができて慣れていく、ということはありません。甘いものを食べ続ければやがて糖尿病になってしまいます。人は過剰に対してはとっても脆くできています。

ですから過剰は絶対にNGということを理解しましょう!

食事を改善し、適度な運動で健康体をゲット

先ほどお話に出てきた小太りの彼へ、私は食事を改善した方がいいと強く伝えました。

・脂質、糖質を抑えて野菜や果物をたくさん食べること。

・味付けの濃い食事を避け、玄米だけでも自分で炊くこと。

・食事は就寝3時間前までに済ませ、できるだけ20時までに食べ終えること。

・食後の激しい運動をやめること。

彼は仲のいい大事な友人ですから、よくなって欲しいと思って何度も何度もこのことを伝え続けました。そして同時にダイエットのために激しい運動をするのはやめ、速めのウォーキングなどを勧めました。その結果、彼は体調を悪化させることなく、無理せずにスルスルと体重を落としていき、中肉中背というのにぴったりの体型を手に入れています。健康診断でも30歳にしてあちこちで悪い数字が出ていたのですが、軒並み改善していました。

この結果を食事だけ、運動だけ、またサプリだけで獲得することは難しかったんじゃないかと思います。同時並行に、そして適度に改善することで健康はあっさりと手に入るものだと思った体験でした。参考になれば幸いです。

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。