日本が現在採り得る北朝鮮への対抗策の一つは憲法改正だろう

丸腰の日本は何も出来ないはずだ、などと北朝鮮に見透かされている、というのが少々癪だ。

世界最強の軍事国家であるアメリカでさえ現状では何も出来ないのだから、日本が北朝鮮の度重なる挑発に対して口頭での抗議と経済制裁で応えざるを得ないのは当然だが、国民感情としては、政府にはもう少し踏み込んだ、実効性のある対抗策を講じてもらいたい、と注文を付けるところだろう。

国連の安保理決議は国際社会としての当然の反応の一つだが、決議だけで北朝鮮の暴走を抑止出来ないのは今までの経過で明らかなので、いずれ国際社会はもう少し踏み込んだ対抗策を採るようになるのだと思う。経済制裁から、いずれは大なり小なり軍事制裁に発展して行かざるを得なくなる。

北朝鮮がどこまでの覚悟を持って国際社会に対してこのような挑戦状を叩きつけているのか分からないが、極めて深刻な事態だと言わざるを得ない。

とても想像したくはないが、北朝鮮が弾道ミサイルに核を搭載出来るようになるまでの間に、アメリカが何らかの行動を起こすだろうし、その場合は日本としても国際社会の行動を支持することになる。

こういうことは表立って議論するわけにはなかなか行かないだろうが、しかし、どこかでは相当踏み込んだ議論なり検討をしてもらっておく必要がある。

極めて難しい問題になるだろうから、この種の議論を一般の国民に対して逐一開示する必要はないと思うが、然るべきところで然るべき検討が進められている、ということぐらいは知りたいものである。

国会の閉会中ではあるが、衆議院の安全保障委員会や参議院の外交防衛委員会で今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射問題が取り上げられ、衆参両院で北朝鮮に対する非難決議が採択される運びとなっているようである。

日本側としての当然の対処である。

しかし、これだけでは足りない。

日本側の対応が変わりつつある、ということを北朝鮮側に伝える必要がある。

日本がこれまでとはちょっと違った対応をするようになりそうだ、という明確なメッセージを今の時点で北朝鮮側に伝えるには、やはり、憲法改正だろう。

憲法を改正してでも北朝鮮の無法には対処する、ぐらいの姿勢はどうしても必要になりそうだ。

安倍内閣の間には絶対に憲法改正はさせない、などと言っていたのでは、日本側はいつまでも北朝鮮に対して何のメッセージも発信できないことになるが、それでいいのかしら。

北朝鮮が増長していくのを抑止するための方策の一つとして日本が現在採り得るのは、迂遠なようだが憲法改正ぐらいしかないのではないか、というのが私の感想である。

まあ、あちらこちらから異論が噴出しそうだが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年8月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。