ビジネスパーソンの最初の社会貢献は「納税」

6年前の震災を契機に、NPOやボランティア活動のような社会貢献に興味を持つ人が増えているようです。特に若い世代に、このような活動に積極的な人が多いように思います。

しかし社会貢献活動を始めようと思ったとき、現実問題として必要になってくるのは「お金」です。夢や理想があっても、それを現実にしていくためには、お金が必要になってくるのです。

金融緩和の影響もあり、資金調達のハードルは、下がってきています。クラウドファンディングなどで、世の中から資金を集め、それを自分のやりたいことに活用できる仕組みも出てきました。しかし、クラウドファンディングも誰でも利用できる仕組みではありません。「自分の信用」をマネタイズする仕組みだからです。

つまり、社会貢献をするにも、「クラウドファンディングで資金調達ができるくらいの信用力」か「自分自身で資金を調達できる能力」のいずれかが必要なのです。

いずれにしても信用力を確立するのに必要なのは、利益を上げることです。利益を上げて、納税することを積み重ねることによって、信用が醸成されていくのです。そうなれば、資金調達もできるようになる。

このように考えていくと、芸能人のような知名度のある人を除けば、社会貢献をするためには、まずしっかり仕事をして利益をあげることが近道だということがわかります。本業がうまくいってないのに、社会貢献を考えるというのは、順番が逆だと思います。

また、社会貢献といっても寄付のように一時的な経済的援助ではなく、持続して続けられるような、サステイナブルな仕組みを作ることの方が重要だと思っています。

社会貢献と言えるような大げさなものではありませんが、丸の内朝大学マネークラスでは、震災直後から年に数回フィールドワークで東北を訪問しています。震災から6年が経過し、東京から訪れる人の数の減ってきていますが、まだ東北の復興は道半ばです。現地の人たちとの、細く長くコミニケーションを続けていくことで、お互いに得られるものがたくさんある。それを続けていけるように仕組みを作っています。

今週末も受講生と東北に行って、「投資と社会貢献」の関係について考えてきます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年9月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。