北朝鮮と国交回復時の経済協力は拒否もありうべし

2002年の日朝首脳会談(小泉内閣公式ホームページより:編集部)

韓国の文在寅大統領は金正恩に暴れられて少し大人しくなったが、徴用問題についての個人請求を否定しないようなことをいうし、慰安婦問題も蒸し返す流行りたい放題だ。

金正恩も「日本を沈める」とかいい放題。絶対に戦争は起こしていけないから対話で解決などと言うバカがいるが、片方が戦争も辞さずといい、他方が絶対に戦争はしないと公然と方針を宣言したら、もう黙っていうことを聞くと言うことだ。

そんななかで、何かパンチの効いた対抗措置はないのかといえば、簡単ではないが、向こうの卓袱台返しにはこのくらい考えて良いのではないかという対抗策はあるのだ。

①日本人が半島に残した個人財産への補償を要求

②対北朝鮮経済協力の拒否(統一時も含む)

③三代目以降には特別永住者という扱いをしない

といったあたりだが、頭の体操をしてみよう。
もちろん、これらをただちに発動すべきだと私が考えているわけではない。ただ、頭の体操はしておくべきだ(あくまでも、あまりひどい要求や脅しが続くなら可能な対抗措置の整理が必要と言う事だ)。

①日本人が半島に残した個人財産への補償

日韓基本条約締結に伴う協定及び交換公文形式で放棄されているのだが、ポーランドやチェコでもドイツ人資産の返還もされており、向こうが個人請求権をいうなら蒸し返しはありうる。また、北朝鮮に対しては国有財産も含めて白紙だ。日本は朝鮮半島に莫大な資金を投入してインフラをつくり、それを残しているのである。

②対北朝鮮経済協力の拒否(統一時も含む)

日本は日韓国交回復時にいわゆる植民地支配について賠償は行わなかったが経済協力をした。北朝鮮はなお賠償を要求していたが日朝平壌宣言で経済協力とすることで合意している。しかし、これは条約としての拘束力はない。また、その後の北の暴虐はこれを反故にする十分な理由となるものでもある。

さらに、日朝国交回復がされないまま、統一が行われた場合に、新しい統一政府(韓国による統一も含む)に対してこれを遵守するかどうかは、日本にフリーハンドがあるはずだ。韓国では日本の協力の効果を評価するのは、漢江の奇跡への侮辱だなどといっている。馬鹿馬鹿しいから、南北統一が実現して、北朝鮮が受け取るべきだった経済協力を統一政府にといってきてもびた一文出す必要はない。統一時に行われるであろう国際的な統一コストに対する援助の仕組みが提案されても日本は参加しない自由を確保しておくべきだ。

(参考:日朝平壌宣言) 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。

双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。

双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。

③三代目以降には特別永住者という扱いをしない

日韓の合意で「資格は2代目まで継承できることとし、3代目以降については25年後に再協議することとした」。この3代目以降の特別永住資格を終了させるかどうかは、日本側に選択肢が論理的にはあり得るはずだし、韓国籍でない在日の人たちには、日本政府は白紙のはずである。

なお、田原総一朗は、安倍首相がアメリカや中国や韓国に御用聞きにまわって、平壌に乗り込んで金正恩を説得しろなどと寝ぼけた提案を安倍首相にしたらしいが、ピントが外れて話にならない。いまどこよりも、北の核戦力を押さえ込まないと困るのは日本なのだから、足して二で割る解決をするために汗をかく意味はない。

すでにこれまでも書いてきたが、核戦力の保持を前提とする解決策は、リスク覚悟でも拒否すべきだ。ただ、核放棄と引き替えに、金一家の安全と体制維持を保証して欲しいというなら、日本も前向きに受け止めるベキだと思う。