なぜ株式投資はインデックス運用で行うのが基本なのか

日本経済新聞によると、新興国の株式市場が好調に推移しているようです(図表も同紙から)。

フィリピン、ブラジル、インド、インドネシアなどの各国が株価が史上最高値をつけ、新興国全体でも年初から3割近い上昇となっています。

これは先進国全体や日本(日経平均)と比較しても高い水準といえます。

株式市場の投資の方法は、インデックス運用が基本です。どの国がこれから上昇するのか当てることができないのであればすべての国が組み入れられたインデックスで分散投資するのは合理的だからです。

日本の株式は代表的なインデックスはTOPIX(東証株価指数)になります。

それと同じように先進国ではMSCIコクサイインデックス、新興国ではMSCIエマージングマーケッツインデックスというインデックス(市場平均)を活用するのがスタンダードな投資方法です。

MSCIコクサイは、アメリカをはじめとする主要先進国22か国の株式から構成されており、日本を除く先進国の株式に現地通貨ベースで、まとめて投資をすることができます。

MSCIエマージングは、中国、ロシア、ブラジル、インドといったいわゆるBRICsをはじめ、新興国23か国から構成されるインデックス。新興国の主要株式にまとめて投資ができるメリットがあります。

それぞれに連動するインデックスファンドを使えば、少額から世界中の株式に投資をすることができるのです。

新興国の国別の上昇率をみると、どの国が一番上昇するかは事後的にしかわからないことが理解できると思います。今年の年初にトルコの株式の上昇をピンポイントに当てることが出来た投資家は少ないと思います。だから、インデックスを使って新興国全体に幅広く投資する。特定の国のリスクを分散させながら、平均的なリターンを安定して期待することができるのです。

インデックス運用なら、国を選択したり、銘柄を選んだりする手間はかかりません。また、1つの国や銘柄に集中しないので、市場全体の平均的なリターンを確保できます。グローバルな株式の運用方法としてはベストの手法だと思います。

日本、先進国(日本を除く)、新興国という3つのインデックスを組み合わせて、世界の主要国の株式市場の平均的なリターンを確保する。これが、主にキャピタルゲインを狙う投資になります。

そして、インカムゲインを狙う投資は、金融資産よりもむしろ国内外の不動産を活用し、安定した家賃収入から収益を確保する。

株式(金融資産)と不動産(実物資産)。2つの資産を上手に組み合わせるアセットアロケーションこそが、これからからの日本人の資産運用のスタンダードになると思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年9月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。