シルバーデモクラシーは世代構成ではなく政治不信だ --- 林 けんいち

日本に住むすべての高齢者に向けて

1、自分達の生活には多少の負担が生じるが、自分の子供や孫の世代には明るい未来を作る事が確実に出来る法案や政党

2、高齢者の福祉や生活を最重視して、その負担はすべて自分の子供や孫の世代に先送りして負担させる法案や政党

どちらを支持しますか? と質問するとします。

もちろん仮定の話なので推測するしかないのですが、シルバーデモクラシーと言われるように、本当に大半の高齢者が2の、次世代にすべて先送りしてでも自分達の生活をとにかく豊かにして欲しいと考えているのでしょうか?

ミクロで偏った範囲にはなるのですが、自分の周りにいる高齢者は、半数以上が1、自分の子供や孫の幸せな未来を、自分が贅沢で豊かな老後を過ごすことより大切なことと考えているように思えます。

生活にかかる最低限のお金を除いた分を、自分自身の贅沢ではなく可愛い自分の孫に最優先でつぎ込まれている人も大勢います。

もちろん次世代のために自分が食うにも困ったり、特段お金がかかるわけでもない程度の趣味も持てないほど困窮してしまう事は避けたいでしょうが、敬老パスの権利や、病院に行くかどうか迷う程度の重症ではない風邪などの医療費が無料になる権利よりは、自分の子供や孫の未来のほうが大切だと大半の高齢者は考えているのではないかと思うのです。

1の意見の高齢者+現役世代で有権者人口の過半数を占めるのであれば、高齢者の利益偏重となるシルバーデモクラシーなんて存在していない事となるはずです。はずなんですが、実際の政治は高齢者利益偏重となっていますね。

という事は、1の意見を持った高齢者は、たまたま僕の周りには偏って存在しているだけで、実際は大半の人は2の意見を持っているという事なのでしょうか?

そうではなく、これはただの政治不信が生み出している状況だと考えています。自分達の負担が本当に、子供や孫の明るい未来を創るために使われるのか?政治家や特定団体への利権を守るために使われるんじゃないか、と信じる事が出来ないだけなのです。

高齢化社会へ突入する日本に、硬直したシルバーデモクラシーを乗り越えるためには、政治不信を払拭し、有権者の信頼を取り戻す政治へと生まれ変わる以外に生き残る道はありません。

そのためにはまず先に政治家が、高齢者を信頼する事です。多くの高齢者は自分達の利益だけをみて投票している訳ではなく、信頼に足ると思えば、負担を受け入れ未来に投票してくれる存在であるということを。

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林 けんいち
インターネット通信販売・飲食店経営を経て現在はフリーランスの営業・ライター活動に従事。
個人ブログ:非常識バイアス