「トランクルーム」は不動産投資として魅力的か?

部屋の荷物を減らすためにトランクルームを借りることにしました。家から徒歩圏内で、24時間自由に出入りができる場所。借りたのは2畳ほどのスペースですが書籍や書類などがかなり収納できます。

このトランクルームが最近投資対象として注目されているようです。大手のトランクルーム会社が投資家にトランクルームでの資産運用を提案していると報じられています。人気の理由は利回りの高さです。

都内の不動産の賃貸利回りは5%程度まで低下しており、トランクルームの利回りはそれよりも2%程度高いと言われています。場所が良ければ、さらに高いリターンも見込めるのです。

トランクルームは一旦契約してしまえば、継続して利用される可能性が高くなります。中に入れた荷物は面倒なので動かすことはあまりありません。1年ごとに更新していきますが、おそらく賃貸住宅よりも出入りは低いのではないでしょうか。

また、1契約あたりのスペースが小さく、坪単価が高くなります。1坪で月に20,000円程度で貸せる場合もあり、スペースの割にリスクが分散されるので収益の安定性も高まります。またトイレや風呂といった水回りも無いので、修繕費も低くなるはずです。

トランクルーム投資のデメリットは、認知度を高めて稼働率が上がるまでに時間がかかることです。契約を増やしていくためには広告宣伝費も必要です。100室の施設の場合、満室までに2年程度の時間がかかるそうです。

初期投資もかかります。無人で運営するため、カードキーを導入してセキュリティーチェックをかけなければなりません。また、温度調整や空調などのコストもかかります。

トランクルームに適した場所は、幹線道路沿いで駐車スペースが取れ、車で搬入が容易なこと。道路面が広くなることが理想的で、賃貸物件や他の不動産投資とは立地条件が少し異なります。トランクルームに適した土地を保有している人には、有利な資産活用法と言えるでしょう。

資産運用の利回り低下の中で新しい投資対象に投資家が注目しています。シェアハウスはすでに人気ですが、マンスリーマンション、コインランドリー、トランクルームといった新しい不動産の投資手法はこれからも徐々に広がっていくと思います。資産デザイン研究所メールでも、最新の情報提供を行っていきます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年9月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。