シュレーダー独前首相と韓国女性

長谷川 良

ゲアハルト・シュレーダー独前首相(73歳、首相任期1998年10月~2005年11月)が先月、韓国を訪問し、文在寅大統領と会見する一方、旧日本軍の慰安婦被害者が共同生活を送る施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)を訪問し、そこで日本の歴史問題に対する対応を批判し、韓国国民の歓迎を受けたことについてはこのコラム欄で書いたが、前首相の訪韓の真相は当時、分からなかった。ところが偶然のことから分かったのだ。そこで読者に報告したい。

▲シュレーダー氏と韓国の翻訳家金女史

▲シュレーダー前首相の新しい女性を紹介したオーストリア日刊紙「クローネン」日曜版(10月1日)から

「事件の背後には必ず女性がいる」といわれる。シュレーダー氏の訪韓は事件ではないが、やはり女性が絡んでいたのだ。ドイツ国民ならば既に知っているが、シュレーダー氏はこれまで3回離婚し、4回結婚。そして4回目の婚姻も既に破綻し、別離状況だ。相手とはまだ正式に離婚届に署名していないだけで、実質的には4回離婚している。

そして4回も結婚し、離婚した人間は必ず、5回、6回目と同じ失敗を繰り返すものだが、シュレーダー氏には目下、新しい女性が見つかったようだ。週刊誌的な話題だが、相手は韓国女性で SoYeon Kim(48)さんだ。そして訪韓目的はシュレーダー氏の自伝の韓国訳出版記念のためだった。金女史はその自伝の翻訳家だ。彼女は独語、英語、日本語も流暢という。
金女史はシュレーダー氏が韓国滞在中は常に傍にいて、通訳したり、手助けをしてきた。オーストリア日刊紙クローネン日曜版(10月1日付)によると、どうやら、シュレーダー氏は彼女と結婚する気持ちだというのだ。5回目の結婚だ。シュレーダー氏は韓国が大好きで、滞在期間が長くなったのも彼女のためだったというのだ。

滞在中のシュレーダー氏の「反日」発言のルーツを辿れば、やはり彼女の存在が浮かび上がってくるのだ。シュレーダー氏は日韓の歴史を十分知らないのに、日本の過去を批判し、韓国メディアに歓迎されたが、あれもこれも彼女のためだったのではないか、という疑いが出てくるのだ。

4回目の結婚相手だったドリス・シュレーダー・ケップ女史(54)は自身のフェイスブックで「昨年初めの離婚決定の大きな原因は金女史の存在があった」と認める一方、「自分にも彼との間に子供がいるが、彼女にも一人の娘さんがいる。子供たちを傷つけないように、メディアも報道を自制してほしい」との旨を発信している。ということは、シュレーダー氏と韓国女性の関係は関係者には既によく知られているわけだ。

“事件の核心”が分かると、シュレーダー氏の訪韓時の「反日発言」を批判した当方などはおバカさんということになる。愛する女性のためならば何事でもする男性は、女性の心を掴むために生半可な知識で日本の過去を批判することなどヘッチャラだ。愛のキューピッドに捉われた男性に理性的な言動を期待する方が間違っている。その男性がたまたま4回の離婚歴をもち、7年間、ドイツの連邦首相を務め、退任後は友人のロシアのプーチン大統領のアドバイサーとして活躍するシュレーダー氏だったわけだ。

70歳を過ぎた老人の恋心を知らずにシュレーダー前首相の「反日」発言を問題視した当方は繰り返すが、世間知らずのアホだったわけだ(「訪韓した独前首相の『反日』発言」2017年9月14日参考)。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2017年10月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。