内閣官房IT戦略室から、シェアリングエコノミーの状況を伺いました。
2013年には世界$150億だったものが2025年には$3300億に成長すると予測されている分野であり、便利というだけでなく産業としても期待が寄せられています。
しかし日本は利用意向が他国より低く、認知度の向上が課題です。
2016年7月からシェアリングエコノミー会議を開催し、民間自主ルールとモデル・ガイドラインを策定、官民連携の共同規制モデルで進めることにしました。
ぼくも会議に参加し、その模様は2回にわたりメモしました。
これを受け、シェアリングエコノミー協会が認証マークの仕組みを構築、今年7月には第一弾として、UberJapanやスペースマーケットなど6サービスを認定しています。
業法の適用関係を明確化する「グレーゾーン解消制度」もマッチングサービスなどで活用されるとともに、住宅宿泊事業法(民泊法)も制定されました。
自治体の熱も高まっています。
島原市(スペースマーケット)、多久市(クラウドソーシング)などの事例が積み上がってきています。
IT戦略室に「シェアリングエコノミー促進室」が設置され、政府相談窓口や企画調整に当たっています。政府も本腰を入れました。
とはいえ、まだまだ役所はへっぴり腰です。
取り組む自治体の数を全体の一割、200市町村ぐらいには引き上げたい。
中央官庁も、経産省・総務省以外の推進役を増やしたい。
クールジャパン政策やデジタル教育政策も、関係省庁や自治体が前のめりになるまで数年かかりました。
シェアエコもそこを目指す途上です。
住民サービスの向上、行政コストの削減、新産業の創出など、メリットを見える化し、拡げたい。
成果をあげた役所や担当者を評価し、ホメる。
民間がすべきことはそれだと思います。
ホメて伸ばそう、シェアリングエコノミー。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年10月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。