タクシーのカード払いは、なぜサインレスにならないのか?

日中はできるだけ公共交通を使って移動していますが、夜遅くなると近距離でもタクシーを使うようにしています。無用のトラブルに巻き込まれるのを避けるリスク管理が目的です。

タクシーはカード払いにしていますが、面倒なのは毎回サインが必要なことです。タクシーの車内は座席も不安定で、暗くて手元が良く見えないことも多く、降車するまでに時間がかかってしまうこともあります。

コンビニやスーパーの多くのお店では、一定の金額までサインレスで買い物ができます。これは、カード会社とサインレス決済の契約をしているからだそうです。例えば、スーパーであれば上限3万円、コンビニであれば上限1万円というように金額を設定しそれ以下であれば、サインを省略しているのです。

では タクシーは、なぜサインレス決済を導入しないでしょうか。

その理由は不正利用防止にあるようです。タクシー会社の中で数少ないサインレス決済を導入している京王タクシーは、車載カメラで社内の様子を撮影しているそうです。不正利用されにくい装備があるからこそ導入できたという背景があるのです。

しかし、そもそもクレジットカードのサインに不正利用の防止効果はあるのでしょうか?タクシーに限らずほとんどの場合、クレジットカードのサインを裏面の文字と照合することはありません。サインという行為自体が既に形骸化しています。

私もタクシーの支払いで急いでいる時などは、適当にサインをして運転手さんに渡すことがありますが、指摘されたことは一度もありません。

都内でタクシー利用している人は、1回の利用金額はせいぜい数千円です。初乗りが410円になって、短い距離だと数百円の支払いの場合もあります。少額の利用で毎回サインを求められ、降りるまでに時間がかかってしまうのはナンセンスではないでしょうか。かといって、いつも小銭を持ち歩いて、現金払いの度に小銭が増えるのも面倒です。

コンビニやスーパーのカード支払いのサインレスはとても便利ですが、タクシーこそクレジットカードのサインレスをもっと積極的に進めて欲しいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年10月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。