マーケットデザインを利用した婚活 ⁉︎

昨今、マーケットデザインという分野が注目されています。
腎臓移植の例が頻繁に挙げらているようです。

腎臓移植の場合、人数の限られた親族しかドナーにならないため、患者にマッチしないケースが多くて移植手術を断念せざるを得ないようです。

そこで、腎臓移植を必要としている患者とドナー候補の親族をたくさん集めれば、マッチする確率は格段に高くなります。

1人の患者につきドナー候補の親族が3人だとすれば、100組集めれば300人のドナー候補ができるので、より多くの患者が移植を受けることができます(発生する問題点は祖霊略します)。

マーケットデザインの手法で婚活サービスをする方法も考えられています。
例えば、男性は、太郎、二郎、三郎の3人だとします。
女性は、花子、典子、恵子、妙子の4人だとしましょう。それぞれが、「独身のまま」という選択肢も含めて異性を順位付けをします。

例えば、太郎の順位は、1位恵子、2位典子、3位花子、4位独身、5位妙子の順だとしましょう。独身よりも後順位になった妙子の立場がありませんが…これはあくまで便宜上です(汗)

このように、男女各人がそれぞれ順位付けをします。男性陣が自分の順位に応じてプロポーズをし、2人からプロポーズされた女性は「より好みの男性(より順位の高い弾性)」のプロポーズを仮受託します。
こうやって第2ステップ、第3ステップとすすめていくと、男性陣にとって最適なマッチングができるのです(詳細は、坂井豊貴著「マーケットデザイン」P112以降参照)。

ところが、これは女性陣にとって最適のマッチングにはなりません。
先の例と逆に、女性陣が男性にプロポーズするという方式をとると、女性陣にとってより望ましい結果になるからです。

つまり、男性陣、女性陣、いずれもプロポーズ権が与えられた陣営が有利な結果になってしまいます。
その理由は、男女双方が「需要者であると同時に供給者」だからだと説明されています。

片方が需要者で相手方が供給者あれば、需要者側にプロポーズ権を設定すれば済むのですが、双方が需要者であることから、プロポーズ権の有無によって結果が異なってしまうのです。
上記「マーケットデザイン」(坂井豊貴著 ちくま新書)では、ここまでの説明が詳細になされています。

そこで私が勝手に考えたのは、男性陣と女性陣のどちらにプロポーズ権を与えるかは代表者のコイントス等で決めておいて、まず男性陣がプロポーズ権を得たとしたら、そこでのマッチングを「男性側のマッチング」として暫定的に決めておきます。

次に、女性陣にプロポーズ権を与えて「女性側のマッチング」を暫定的に決めます。とりあえず、双方のマッチングで一致したカップルに退出してもらい、後は同じことを繰り返します。
もちろん、途中棄権もアリです。
それぞれ100人くらいの男女が参加する婚活パーティであれば、何組かは最適な組み合わせができるような気がするのですが…理論的な自信はまったくありません(^^;)

荘司 雅彦
講談社
2006-08-08
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編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年10月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。