朝食不要論はあってもやっぱり朝食をとった方がいい理由

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

昔から続いていて、いつまでも終わらない争いの一つに「朝食は必要か?不要か?」という議論があります。必要派と不要派の理論はそれぞれ正しく感じるので、「結局、朝食はいいの?悪いの?」とあなたは迷われているかもしれませんね。私が両者の主張を見ていて思うのは、「お互いに朝食のメリット・デメリットを声高に主張するだけで話し合いになっていない」ということです。

さて、私の持っている結論を先にいうと「朝食はやっぱり食べるべき」と考えています。この記事を最後まで読んで頂ければ、あなたも朝食必要派になっていることでしょう。

朝食不要派3つの主張

朝食は不要だと主張する人たちはこういいます。「現代人は栄養が足りており朝食を食べる必要がない。元々人類は今のように3食食べていなかったが、エジソンがトースターを売るために主張した“一日3食食べましょう”から習慣が始まったに過ぎない」「現代は食べ物に囲まれており、朝食まで食べてしまうと胃腸は休む暇がない」「排泄に適した朝の時間を朝食が阻害する。」

なるほど、どれもなかなか説得力がありますね。一つずつ見ていきたいと思います。

<主張.1>朝食を食べなくても十分栄養が足りている

エジソンは自らを性能の良いエンジンに例え「余計なガソリンは食わない」といったのは有名な話です。エジソンのエピソードを引き合いに出す人は、まさに「朝食は余計なエンジンにあたる」と考えているわけです。近年は栄養失調や飢餓に苦しむ人は減り、逆に食べ過ぎによる肥満や栄養過剰で病気になってしまう人の方が増えていますからこうした意見が出てきてもおかしくはない気がします。

<主張.2>朝食を食べると胃腸は休む暇がない

こちらは消化に関する話ですね。動物は消費エネルギーの約40%を消化に使っていると言われるほどで、食べたものを処理することには膨大なエネルギーを要します。肉は消化するまでに12-24時間もかかるというデータもあり、肉をモリモリ食べると胃もたれをしてしまうのは当然の話ですね。夜遅く食べた後に寝て、朝起きてまた食事をすると胃腸は24時間フル稼働で休む暇がないというのが、彼らの主張です。

<主張.3>朝食は排泄を阻害する

「排泄にもっとも適したタイミングは朝」と言われており、朝食を食べることでそれを阻害してしまうという議論もありますよね。本来は排泄するためにエネルギーを向けるべき時に、胃に食べ物が入ってくることで排泄のじゃまをしてしまうという話です。「なんだよ。やっぱり朝食は不要じゃないか」「朝食不要派の理屈はどれも筋が通っていて、とても必要だと思えない」そのように感じたでしょうか?

多くの人が持っている朝食イメージは「糖質とスイーツ」

多くの人は「朝食といえば糖質とスイーツ」というイメージを持っています。朝食は手軽さ、食べやすさこそが優先されるべきで、その質は昼食や夕食ほど重要視されていないことがほとんどです。

現代人は多くの食べ物に囲まれており、手軽に好きなものを口に入れることができる環境に身をおいています。朝食を食べるために街に繰り出せば、山のように食の選択肢があることに気付きます。コンビニではパンやおにぎり、お惣菜がありますし、24時間営業のファーストフードではハンバーガーやホットケーキ、牛丼や立ち食いそば、カフェにいけばベーグルやサンドイッチにマフィンなどなんでもあるじゃないですか?

でもお店にずらりと並べられた星の数ほどある選択肢の中で、栄養たっぷりで朝から食べるべき朝食はどれほど存在するでしょうか。例えば今、私が色々と並べたこれらの朝食は、どれもこれも糖質やスイーツばかりです。ご飯などの炭水化物は消化に8時間要すると言われますが、朝からガッツリと糖質を取れば、それだけ内蔵に負担がかかるのは当然と言えます。街にはたくさんのお店があっても、その中からビタミンやミネラル、酵素を豊富に含んだ「生食」の朝食メニューを提供しているお店はあまり見かけません。

多くの人が持っている「朝食」のイメージの多くは、糖質やスイーツではないでしょうか?朝食不要派は「朝食なんて消化に悪いし、排泄のじゃまになる」と口を揃えますが、それは「朝食=糖質・スイーツ」というイメージに対していっているように私には思えます。

朝食は「質>量」でとればいい

私は食事を「質>量」と考えることが重要だと思っています。これは「食べるか?食べないか?」ではなく、「何をどのくらい食べるか?」ということを考える方が重要だということです。朝食もそれと同じです。私からのオススメしたいのは糖質やスイーツを食べるのをやめ、野菜や果物をたっぷり頂くという提案です。

「主張1.朝食を食べなくても十分栄養が足りている」という主張はたいていカロリーのことを指しています。確かに極度のダイエッターなど特殊ケースを除き、カロリーが不足した日本人はほとんどいません。また、日本人の栄養は「全体的に過剰、不足」ではなく、「偏っている」と言われることが多いと考えています。例えば塩分に含まれるナトリウムを考えてみてください。「日本人はナトリウム過剰で、普通に食事をしていたら不足にならない」と言われており、その逆に以下に塩分の摂取を控えるか?に主眼が置かれています。その反面で「亜鉛・鉄分・カルシウム」などは日本人の欠乏しがちな3大ミネラルといわれており、その他に野菜や果物不足によるビタミン・ミネラル欠乏があります。私はこうした不足したビタミンやミネラルを「朝食に野菜や果物を食べることで栄養補給をしましょう!」といいたいですね。

「主張2.朝食を食べると胃腸は休む暇がない」「主張3.朝食は排泄を阻害する」についても「食べるか?食べないか?」ではなく、「何を食べるか?」が重要です。これに対する答えは「野菜や果物」だと思いますね!消化に要する時間は肉が12-24時間、炭水化物が8時間と言われているのに対し、果物は40分、野菜は2時間前後で済んでしまうので胃腸に負担をかけず、食物繊維がたっぷりで快便に一役買ってくれます。

あなたは一日の内で野菜や果物をどれだけ食べているでしょうか?「そう言われてみればほとんどないな」と思われるなら、ぜひ朝食を野菜・果物を食べる機会にするといいでしょう。朝食不要派3つの主張はいずれも糖質や甘いものを朝から食べ過ぎることの害を指していることが多いのですが、はたして彼らは栄養豊富な野菜・果物を朝食に食べることに異議を申し立てられるでしょうか?私はこれからも朝食必要派として、メッセージを出していきたいと思います。

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。