こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
数年に一度の総選挙が終わりまして、最近では大型選挙の度に必ず議論の俎上にあがるのが
「ネット投票っていつ可能になるの?」
という論点です。今回も主に若年層などの投票率に関連して、いくつかのメディアや関係者からこうした質問を受けました。
私は従来からネット投票解禁論者であり、セキュリティ以上に「秘密投票の保持」に課題がある点を指摘したり、世界で唯一すでにネット投票を実現しているエストニアの取り組みを研究し、取り上げて参りました。
そんな中で飛び込んできたこちらは、ビッグニュースと言って良いのではないでしょうか。
ネット投票、海外在住の日本人向けに導入検討 河野外相:朝日新聞デジタル
なんとなんと、河野外相が野田総務相とともに、海外在住者の「在外投票」において、試験的にネット投票の導入を検討していることを明らかにしました。
わが国の在外投票制度の使いづらさは、当事者の間では非常に有名な話で、毎回国政選挙の時期になると
「手続きが煩雑すぎて諦めた」
「移住のタイミングがダメで、投票権を得られなかった」
「指定の大使館でしか投票できず、片道3時間かかった」
など、海外在住者のTwitterなどで怨嗟の声が溢れるのが通例となっています…。
総務省のデータを見てみたところ、在外選挙人に登録している対象者は10万人程度ですので、ネット投票を「実験・試行」するのにちょうどいい規模ではないでしょうか。
なお、世界で最初にして唯一ネット投票を導入しているエストニアは、国内産業に乏しいことから国外に出稼ぎに行く人が多い=在外投票が中心で、その在外投票に対応するのがネット投票導入の大きなインセンティブであったことは、あまり知られていないけれど重要なポイントです。
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ちなみに他にも例外的に特殊な投票方法が認められている例として、「洋上投票」があります。
長期に渡って遠洋漁業などに出る人々は、その間に国政選挙があった場合、船の通信機能を使ってFAXによる投票が認められています。
この点も以前、「だったら、山小屋で長期勤務する人にもそれを認めてあげても良いのでは?」という文脈で紹介したことがありました。
なので、在外投票だけにネット投票が先行実施されることは何ら問題ないはずですし、こうした洋上投票にも一緒に適用してみるのもアリだと思います。
こうした政府の動きについては大いに賛同し、世論を盛り上げて後押ししていきたいと考える次第です。
ぜひ皆様も、こうした動きにご注目いただければ幸いです。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年11月2日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。