希望の党代表選:憲法改正問題を熱く語れるか?

代表選に立候補した大串、玉木両議員(希望の党公式ツイッターより:編集部)

希望の党も、これで本当のリセットの緒に着いたようですね

郷原さんのところにはあちらこちらから色々な情報が寄せられているようで、あれこれ物を考える時は郷原さんの記事が参考になる。

希望の党の規約の改訂について、時系列を追ってその背景事情を解説しておられるので、書かれている事実自体は間違いないのだと思っている。

昨日、希望の党の共同代表選挙の公示が行われ、既に立候補届け出の受付が終了し立候補者は玉木氏と大串氏の2名ということに確定したようだが、何にしても希望の党の規約の再改訂と共同代表選の実施が極めて短期間のうちにスムーズに進んだことはご同慶の至りである。

希望の党の再リセットが軌道に乗ってきたようである。
創業者の小池さんの周辺からどんな些細なことでも異議めいたことが出てきたら厄介なことになるな、と心配していたが、小池さんはどうやら沈黙を守っておられるようで、これまでの経過について何ら異存がないようである。

郷原さんの指摘を待つまでもなく、希望の党の原規約には問題があった。
やっつけ仕事の弊害がここまで明らかになることは珍しいが、何にしてもほどほどの改正が速やかに実現したことはよかった。

結果良ければすべて良し、というところである。

泉氏や渡辺氏も立候補の意欲を示しておられたが、推薦人が十分集まらないということで立候補を断念されたということだが、これはこれでいい。

私のブログの読者の中には希望の党に対して結構辛辣な意見を持っておられる方が多いが、そういう辛辣な意見が巷に多くあることを承知で、あえて希望の党の共同代表になろうとした人が複数いた、ということは、希望の党にはそれなりの存在意義があり、希望の党には依然として希望がある、ということだろうと思っている。

玉木氏も大串氏も元財務官僚で、その識見や政策策定能力、実務処理能力等において自民党の国会議員と比較して遜色がないはずである。

玉木氏と大串氏のどちらがより国民にアピールするのか分からないが、今回の共同代表選挙を通じて希望の党に対する国民のガッカリ感やウンザリ感を一掃できるようになれば、こんなありがたいことはない。

さて、希望の党の国会議員の中で憲法改正問題について熱く語れるのはどなた?

今の段階で、憲法改正反対、と言い切ってしまう人は、多分、日本の政治を自分の思う方向にリードすることは出来ないだろうと思っている。

今の段階で憲法改正反対と言い切ってしまえる人の目には、今の憲法がどこから見ても非の打ちどころのない、唯一、絶対、至高のもののように見えるのかも知れないが、私から言わせれば、日本の最高法規だからと言って、必ずしも最高のものではない。

どこがいけないのか、ということについての認識は人それぞれだろうが、私から見て修文をした方がもっと分かりやすく、かつ国民の常識に合致するだろうと思える箇所がいくつかある。
憲法は滅多に変えない方がいいことは間違いないが、だからと言って、絶対に変えてはならないものではない、憲法は改正されることがあることを当然の前提にしている、というのが私の基本的な認識である。

まあ、全部破棄して作り直さなければならないほどの重大な不具合ではないから、不具合な部分や明文の規定を欠いている部分については、運用や解釈で補ったりしているのが現状だが、だからと言って、不具合なところが完全に修復されているわけではない。

今の段階で憲法改正反対と言い切ってしまう人は、今の憲法の不具合な部分については一切目を瞑ってしまうのだろうな、と思っている。

さて、今回の希望の党の共同代表選に立候補されたお二人のそれぞれの憲法観はどうだろうか。

立候補者のお一人である大串さんについては、憲法改正反対派だから、さっさと立憲民主党に移籍した方がいい、などと批判する人が一部におられるようだ。

この際、大串さんには、ご自分の憲法認識や憲法改正の方向性についてのご意見をトコトン語っていただいた方がいい。

まあ、余計なお世話だろうが・・・。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年11月8日の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。