起業で「消えていく人」と「生き残る人」の違い

内藤 忍

起業して10年後に生き残る会社は、一説には5%と言われています。しかし本当に、起業というのはそんなにハードルが高いものなのでしょうか?

私の周りには起業して、5年、10年経っても何とか会社を維持運営している人がほとんどです。彼らにどんな共通点があるか観察してみました。

1.小さく始めてリスクを取りすぎない
起業して、いきなり大きなオフィスを借りたり、大量に人を採用したりすれば、コストだけが先行し、売上が付いて来なければ資金が底をつき、ゲームオーバーです。小さく始めて大きく育てるのが起業の基本です。

2.自分の得意分野で勝負する
会社員から独立する場合、今までの仕事の経験を振り返って、自分の得意なことにフォーカスし、その知識やスキルを上手に活用すれば、スムースに独立を進めることができます。強みを活かして勝負しなければ、競争には勝てません。

3.人脈を上手に活用する
今までの会社の同僚や先輩後輩といった人間関係を活用し、キーパーソンにアプローチできれば、ビジネスを進めるスピードが格段に速くなります。起業すると、今までの人付き合いが、問われることになるのです。

4.好奇心、向上心を常に忘れない
新しいことを学ぶ、あるいは今持っているスキルをさらに磨きあげるといった成長志向を忘れてしまうと、世の中の変化に取り残されます。前向きに自分を上昇させようという強い意思の継続が大切です。

5.営業力がある
会社は売り上げが無ければ、利益が出る事もありません。まずは、自社の商品サービスが売れなければ始まらないのです。営業能力のある人とは売り上げを立てることができる人。営業力がある人なら、ビジネスは無限に広がります。

6.1つのことに執着しない
こだわりの強い人は、世の中の変化についていくことができません。極めることも重要ですが、過去に執着せず、自分を変えていくことも重要です。大企業でも過去の栄光に執着して、没落していった企業がたくさんあります。

7.良い意味でプライドがない
プライドの高い人は起業で成功しにくいと思います。格好つけたり、見栄を貼ったりして、目の前のチャンスを逃してしまうからです。かつての部下に、仕事を回してもらうお願いをする。ライバル会社だった人に頭を下げて、協力を依頼する。そんなことが、ストレスなくできる人は起業向きです。

起業して生き残って、長期的に経営者として成功している人にはそれなりの理由があります。私自身は上記の7つの要素をすべて満たしてはいませんが、資産デザイン研究所を立ち上げ(写真)、起業して5年になります。

今まではむしゃらに走って来ましたが、ようやく少し周りが見えるようになってきました。ここで手綱を緩めて油断することなく、次の段階にチャレンジをしようと思っています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年11月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。