デジタルサイネージジャパン2017

中村 伊知哉
デジタルサイネージジャパン@幕張。
世界的な第4次産業革命ブームの中、一連の新技術が注目され、改めて技術の時代が来ました。
2020Tokyoはその全てのショウケースとなる。
今年のDSJもそれに向けての模擬試験です。
デジタルサイネージコンソーシアムは今年10周年。
DSJもプレから数えて10回目。
この10年の蓄積と、次の10年の展望をお届けしています。
ブースではアテンドサイネージガイドラインのクイズを提供。
いつも新機軸を持ち込むニューフォリア。
これはインスタ映像の表示。
360度映像やら顔認識やらもあります。
ぜんぶwebベースです。
近未来。
韓国のCAMELはandroidでつないだデジタルpop。
ソニーは4Kに注力。
チラシなどの文字は4Kが必須とのこと。
JRの路線図と乗換案内の表示を駅にて実証中。
シャープは8K。
70型マルチ16面で280インチのサイネージ。
BOEも16面8K。
大画面サイネージは8Kが当たり前になってきました。
Eink42型 by PDC。
ディスプレイも多様化を続けています。
VRアーティスト、せきぐちあいみさんによるライブビューイング・パフォーマンス。
サイネージのライブ展開も今年の重要テーマです。
マルチスクリーン型放送研究会「まるけん」。
大阪の放送局が始めたコミュニティは62社に拡大、民放のほぼ半分まで来ました。
AIやVRやSNS連動などのWGを設けていくそうで、放送局の現場をつなぐコミュニティ・プラットフォームになってきました。
radikoの展示は、FM電波とIP配信を1チップで切り替えるシステム。
ラズパイでも動く。
通信と放送の結合です。
フジテレビは全方位。
ハイブリッドキャストでTV放映+スマホ配信、「たまる!」でのポイント連動、LINEでのシェア。
それらの効果を検証して、TV放送にフィードバックする方向とのこと。
TBSは2点。
CM差し替え可能なIPマルチキャスト配信。
2K放送と同時に家庭のルータに4Kマルチキャストで配信、CM時はユニキャストで属性的なCMに切り替える仕組み。
うむ、話題の同時配信へのソリューションですね。
番組中のCMを見るとハイブリッドキャストでスマホにポイントが貯まる。
店舗に近づくとスマホに通知が届く。
録画視聴でもポイントが貯まるんでスキップしない。
・・以前まるけんでやってた「見るともうかるテレビ」。進化してきました。
日テレはスマホ向けVRアプリ「ゴースト刑事日照荘殺人事件」を展示していました。
土屋敏男さんとライゾマ齋藤さんが企画で、鴻上尚史さんが脚本。
ふうん、おじさんたちそんなことして遊んでるんだ~。
デジタルサイネージアワード2017、表彰式を行いました。
グランプリ(ロケーション賞、広告賞)「巨大X線検査機 博多通りもん」明月堂、ビデオステーション・キュー、オリコム。
ここだけという場所にヒモついたローカルの広告という、これぞサイネージ代表。
この10年でサイネージは進化を遂げたが、改めて原点回帰して自分を見つめ直した作品。
DSC10周年賞(技術賞、ロケーション賞)「FLIP DOT」NTTドコモほか
ドコモの学割キャンペーンでJR秋葉原駅に出現した6mの壁。
オセロのコマのような白黒の円盤をパタパタ反転させて文字・絵を描く。
レトロなアナログの暖かさ。
インタラクティブ賞・広告賞「DAZN Human Billboard」パス、DNPほか
神宮前交差点にスタジアムのスタンドを再現。
大型ビジョンにスマホでPKをする
ゲーム参加者に18名が声援を送る。
ゲームはバーチャル、応援はリアル。
ぼくの総評
今年はダブル・トリプル受賞が多かった。
技術、広告のような複数の機能で優れる作品がいくつもあった。
一方で、選考にもれたものの中にも、コレは!と思えるものがたくさんあった。
多様化している。
来年はアワードも10周年。2020年に向けて厚みを増したい!
今回は「ライブエンタテイメントジャパン」も企画しました。
4K8Kの映像配信によるライブビューイングが本格化します。
インフラ整備とコンテンツ開発が課題。
ジャパンナイトと称し、ウェアラブル・ファッションショーとライブビューイングイベントを開催しました。
10年前、サイネージは電子看板でした。
商業施設のスタンドアロンの広告でした。
10年たって、屋内・屋外どこにでもある、ネットワークでつながった、広告を含む「役立つ」公共メディアに成長しました。
ここまでがサイネージ1.0。
ここからはサイネージ2.0。
2つの方向に進化します。
2020Tokyoに向けてライブのメディアになります。
そして、第4次産業革命を担い、IoT/AIのメディアになります。
KMDのJasmineがプロデュースする「STARMARIE」のライブもお届けしました。
ありがとうございました。
また来年。

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年11月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。