今年の良書ベスト10

今年の前半はいい本がたくさん出たが、後半は不作だった(私が新刊を読まなくなったせいかもしれないが)。そこで観点を変えて、いつものような個人的ベストではなく、入門書を含めた一般向けベストを選んでみた。

  1. タレブ『反脆弱性』
  2. 鈴木紀之『すごい進化』
  3. 小川和久『日米同盟のリアリズム』
  4. 笠谷和比古『武士道の精神史』
  5. ノース&ウォリス&ワインガスト『暴力と社会秩序』
  6. フランク『成功する人は偶然を味方にする』
  7. 池田嘉郎『ロシア革命』
  8. 篠田英朗『ほんとうの憲法』
  9. アリソン『米中戦争前夜』
  10. 松沢裕作『自由民権運動』

アベノミクスが5年たってもインフレは起こらないが、変化のマグマは蓄積している。それを景気対策などで抑圧すると爆発する。1はそれを論じた本で、かなり難解だが、リスクやイノベーションを考える上で参考になる。

2は最近の進化論の解説で、主流とされる「適応主義」に対する批判だが、実例が多くておもしろく読める。6もいうように、これからの社会科学のモデルは進化論になるだろう。3は最近の国際情勢についての解説、9はアメリカ人の実証研究だが、こういうリアリズムにもとづく本は意外に少ない。

今年はロシア革命100周年でいろいろな本が出たが、最近は7のように、それはマルクス主義とは無関係の特殊ロシア的な現象だったというのが通説のようだ。これは日本とも無関係ではなく、今の「立憲主義」にも社会主義のDNAは受け継がれている。それを清算することは、まだ今後の課題である。