1000円カットに行くと、私はカットしてくれる人の得意分野に耳を傾けるようにしています。
無口なお客さんが多いせいか、それとも得意分野のせいか、ほとんどの人が一生懸命教えてくれるので10分少々でたくさんの知識が身につきます。
アメリカのテレビドラマの話、カメラの話、はたまた原油相場の話…。
日本のデジカメはソニーに集約されていくという話も聞きました(真偽の程は専門家の皆さんにお任せします)。
先般行った時は、大変な映画ファン、特にスターウォーズが大好きな人と話をしました。
「スターウォーズが初めて日本に上陸したのは1978年。エピソード4です」「さすが!そういえば大学2年の時で映画館で何度も観ました」「えー!映画館で観ることができたのですかぁ。羨ましいなあ〜」などという会話が弾みました。
彼が言うには、CG(コンピュータ・グラフィックス)を使っていないスターウォーズは別格なのだそうです。
「どんなにCGが進歩してもリアルとの違いを埋めることはできません」とのことでした。
スターウォーズシリーズでは残念ながら私には区別がつかなかったのですが、先般、CGのない頃の007シリーズのアクションシーンを観ていて、昨今の映画にない迫力とインパクトを感じました。
爆発シーンの衝撃などは、昨今のCGでは到底及ばない迫力と一種の恐怖心すら感じました。
「もしかしたら、このリアル感こそがAIを始めとする機械には真似の出来ないものじゃないだろうか?」と、その時考えるようになりました。
ちなみに、次の台詞は私の99円キンドル本「婚姻無効」から抜粋したものです。
「先生は、世の中で一番不幸なのはどういう人だと思われます?」
「人間には誰しも、自分の悲しみや苦しみを分かち合い、共に泪を流してくれる同伴者が必要なのだと私は常々思っています」
「病気で苦しんでいる時、たとえ病気を治してくれなくとも、ずっとそばで寄り添って手を握ってくれる人がいればどれだけ心が救われることでしょう」
自著宣伝がてらの一部抜粋ですが(笑)、この台詞にあるようなことは、AIには絶対にできないことです。
血の通った人間にこそ可能です。
少なくとも私は、AIが手を握って泪を流してくれても、ちっとも嬉しくありません。
一言で言えば、「真摯な共感力」だけは生身の人間にしか出来ないことなのです。
このような分野こそが、来るべきAI時代で最も注目される分野だと思っているのですが…みなさんいかがでしょう?
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。