毎年11月となりますとソワソワするのが、公務員給与の給与や処遇、人事行政に関する人事委員会勧告、通称「人勧」であります。私は、議席を預かって以来、明らかに民間給与と乖離した公務員の給与UP議案には「わたしは、ブレない。」信条のもと反対をし続けてきました。
【これまでの態度表明】
総額226億公務員賃上げ議案に反対&支部解散届提出(2014年)
条例で下げた振りして規則で上げる人件費議案にNO!(2015年)
※今回も給与UP議案とセットで退職金を3%カットする「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」があがってきております!
昨年も、小池百合子知事をいの一番で応援したファーストペンギン都議として「知事与党」と見られておりましたが、知事提出議案であるにも関わらす公務員給与UPの「職員の給与に関する条例/東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例/東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例/学校職員の給与に関する条例」には毅然と反対をさせて頂いておりました。
今回も同様に「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例/東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例/学校職員の給与に関する条例」が付託されており、当然全て反対する所存です。
【今年の東京都人事委員会勧告】
お姐超訳でわかりやすく解説しますと…
■毎月の給与UPは見送り
理由として「職員の給与が民間従業員の給与を下回っているが、その較差(74円、0.02%)が 極めて小さいため」としてますが、そもそも人事委員会が定める「民間」とは「職種別民間給与実態調査」を根拠にしていてその調査対象の下限が「企業規模 50人以上100人未満」となっています。中小零細企業が99%を占める日本において実態とは乖離するのではないかとかねてより指摘しております。
■給与はボーナス年間0.1ヶ月UP
所要経費(平成29年度分) 約74億円(一般会計)
■退職金は3%カット
削減額約28億円(一般会計)
当然この議案には賛成!
で、結局、東京都職員の生涯年収はこの勧告で上がるの?下がるの?と一昨年「条例で下げた振りして規則で上げる」前歴(笑)があるところから、大変気になるところです。
ざっくり言いますと…
年収は平均 → 3万円程度UP
退職手当 → 平均70万円減少
単純比較はできませんが25年以上勤務できる20~30代は生涯年収UP、40~50代は退職金減額のダメージのほうがボーナスUPよりも大きく、生涯年収はダウンするのではないか…というところ。まあ、私からすれば、民間実態より給与は十分高いのですから、上げ下げしないで下げるのだけやって下さい、ということであります。あるいは、上げも下げもせず現状維持。
【有志会派とのボーナスUP阻止議員提出議案に都ファ反対】
かようなことから、有志会派とともに、「都民のくらしの困難が増大している下で、都議会議員尾期末手当を据え置く必要がある」とし、都議におけるこの0.1月給与UPを阻止するために「東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例」を提出。本日、私が所属する財政委員会で、その審査がありました。共同提案者にはならないものの「ふるい議会を新しく」とし、議員歳費カットや議員特権廃止を公約に高らかに掲げてきた都民ファースト会派は、当然賛成するものと思っておりましたが…
なんと!!
反対を表明したのであります。
(自公も反対)
驚愕の理由は…
「本議案の提案理由の説明の中で、議員自身が期末手当について議員自身が決めるべきとの意見があったが、都人事委員会の勧告と職員の手当との連動は制度としてルール化をされており、踏襲すべきもの」
とのことであります。人事委員会勧告は、あくまでも「勧告」です。
首長(知事や市長のこと)には拒否権もあります。実際に名古屋等で首長が拒否した事例もあります。ですので、「踏襲すべきもの」なわけがありません。仮に条例の性質上いったん職員手当てと連動するとしても、今回我々が提出した議案を可決させて、差し引きゼロにすればいいわけでなのです。そのためにこちらは提案したわけですから!
今年2月の議会第1回定例会で、音喜多都議や私といったファーストペンギンを中心とした前任期の「都民ファーストの会」は、議員報酬と政務活動費の削減及び費用弁償の廃止を実現することができ、知事給与より都議給与が下がり、約6.6億円の削減を実現しましたが、これに満足して立ち止まってしまっていいのでしょうか?
日々慎ましく暮らし、公務員給与とは大きくかけ離れた家計で暮らすであろう多くの都民の血税で支払われる公務員給与をめぐって、人事管理委員会と本来対峙すべき存在である議会人が唯々諾々とその「勧告」に「踏襲」するという姿勢では到底「東京大改革」は進まないのではないのでしょうか。
【お姐総括】
何度も言いますが、二元代表制の下には「与党」も「野党」も存在しないのです。合致する政策実現のために連携をはかることがあったとしても、いったん議場に入ればまさに「都民ファースト」で一つ一つの議案を判断すべきだと考えるのです。
選挙で首長を応援したから、応援されたからといって、首長提案にオールイエスである必要はない!
議員は首長の多数派工作のためのロボットではないのです、ひとりひとり有権者に名前を書いていただいた独立した一人の議員・選良なのですから。
☆お姐、ずっと人勧を反対しなければ…と胸にしまっていたな。堂々反対し対案も出した。今後もブレすに進め!☆
上田令子 プロフィール
地域政党「自由を守る会」
地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)
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