【映画評】スター・ウォーズ/最後のジェダイ

渡 まち子

フォースの力に目覚めた孤独な少女レイは、ダース・ベイダーの遺志を継ぐカイロ・レンとの死闘を制し、ついに伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーへとたどり着く。万感の思いを込めてライトセイバーを差し出すが、レイはルークから驚くべき事実を知らされる。一方、レイア率いるレジスタンス軍にも危機が迫っていた。元ストームトルーパーの脱走兵フィン、パイロットのポー、忠実なドロイドBB-8らは、新たなミッションに向かうことになるが…。

人気SFシリーズ新3部作の第2章「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」。全世界待望の最新作は前作「フォースの覚醒」のその後を描くものだ。“衝撃”の連打で、一瞬も目が離せない展開が待っている。スターウォーズ(以下、SW)は、光と闇の両方を描いてきたが、本作ではその二つが分かちがたいものであることが強調されている。それは、特別な力であるフォースや、フォースを守るジェダイの概念を、より深く、より広く解釈することへとつながっていく。年老いたルークの表情に刻まれたシワは、光と闇の両方を知るものゆえの苦悩だ。ジェダイもまた悩み、迷ってきたのである。

世界中の熱すぎる期待を背負っている本作は、怒涛のアクションや魅力的な新キャラの登場でファンを魅了することだろう。散りばめられたユーモアも楽しい。鳥型クリーチャーのポーグの愛らしさ、クリスタルのキツネ、ヴァルプテックスの美しさにも目を見張った。実際、善と悪の間を揺れ動く価値観や明かされる秘密の衝撃で、約2時間半の上映時間はあっという間に過ぎる。ストーリーがほとんど進んでいないことにゆっくりと気付くのは、見終わってからだった。確実なのは、世代交代の波の到来と、今後の展開がますます混沌としてきた事実。ただ、レイとカイロ・レンが時空を超えて語り合うその姿に、愛と希望の存在を願うのは、私だけではないだろう。なぜなら、本作で重要な役割を担う新キャラのローズは劇中できっぱりと言うのだ。

「愛する人を救うこと。それが勝利よ」と。

壮大なSW神話は、新局面を迎えようとしている。

【75点】
(原題「STAR WARS: THE LAST JEDI」)
(アメリカ/ライアン・ジョンソン監督/デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、アダム・ドライヴァー、他)
(世代交代度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年12月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。