正月休業は“働き方改革”に逆行する!

荘司 雅彦

昨今、「働き方改革の一貫として正月三が日(年末年始)を休業します」と宣言する企業等が出てきています(増えているというほどのことはありませんが)。

しかし、これは「働き方改革」に逆行する動きだと私は考えます。

「働き方改革」を私なりに解釈すると、「勤務時間中にしっかり働いて無駄な残業や居残り残業を減らすこと」「従業員のオフの時間を尊重し、休日に業務命令のような連絡をしないこと」「休日や時間外をエンジョイできること」というふうに、一言で言えばオンとオフをしっかり区別することだと考えています。

オンの時間にしっかり仕事をして生産性を高めれば、従業員は閑散期に有給休暇を取得しやすく、無意味な時間外労働も激減するでしょう。

稼ぎ時にフル回転できるので、企業全体の収益も向上します。

このように考えると、年末年始に最も収益が上がる業種が一斉に休業するのは「働き方改革」に逆行する行為です。

失った収益を他の日で埋め合わせなければならないので、有給休暇の取得が困難になり無駄な残業も増えてしまいます。

小売店や飲食店が、(たくさんの収益を得られる)土日を休日にして平日に従業員を遅くまで残業させるのと同じです。

ある意味、神社仏閣やその周辺の店舗が年末年始に休業するのと同じで、計り知れない逸失利益が生じます。

稼げるときに稼いで、暇な時期にどんどん休みや時短にした方が、多くの従業員にとってもメリットがあります。

年末年始、ゴールデンウィーク、お盆などは、どこに行っても混雑するし宿泊費が高めのところが多いですから。

人によっては、子供の学校の長期休暇に合わせたいというニーズもあるでしょう。

そういう人たちは、春休みや夏休みにまとまった休暇をとればいいのではないでしょうか?

最初から他の人達と休日を合わせたいのであれば、土日がかき入れ時の企業には入社すべきではありません。

一斉休業する真の目的は、「会社が営業しているのに自分だけ休んでいることに罪悪感を感じる」という雰囲気に起因しているのではないでしょうか?

私が社会人になって銀行の店頭業務に配属された時、「平日土休」という制度がありました。当時の銀行は土曜日も営業していたのですが、月に2回土曜日を休むことが出来ました。

しかし、店頭の人員が土曜日に半分になるのは困るので、月に1回は土曜日休み、もう1回は平日休みというシフトにしていたのです。この平日の休みを「平日土休」と呼んでいたのです。

最初は、支店のみんなが平常通り働いているのに、平日に自分だけ休むの事になんとなく罪悪感を感じたものです。
わざと銀行の近くを通らないようにしたこともありました(笑)

もっともそれは最初のうちだけで、「こんなものだ」と思えば馴染んでしまいます。
混雑していない街中で休日を満喫できました。
空いている映画館で存分に映画鑑賞も楽しみました。

ここぞという時に働くことで労働生産性も上がります。

休日横並びは労働生産性を低下させ無意味な時間外労働を増やすだけだと思うのですが、いかがでしょう?

荘司雅彦
講談社
2014-02-14

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年12月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。