2017年ももうすぐ終わりだ。毎年、音楽と本に関して振り返りをしている。今年も書くことにしよう。あくまで自分の主観で、その年にリリースされた音源をアルバムベースで10枚、順番を付けずに、という。
これまた、ここ数年、書いていることだし、実際にご批判の声も頂くことなのだけど・・・。ライブへのシフト、定額配信の普及、YouTubeでのPV鑑賞、音楽番組のイベント化、アルバムという概念の希薄化、新曲不要論(逆に言うと、従来の曲の定番化)などの現象が起こっている中、「その年のアルバムを評価する」という行為はどうなのよという時代ではある。とはいえ、古い人間なので、アルバム単位で聴くし、評価してしまうのだ。あくまで、自己満足。そもそも、このブログ自体が、自己満足以外の何物でもないのだけど。
今年の音楽生活を振り返ると、すっかり定額配信に慣れてしまい。ここにアップされる新譜を片っ端から聴いたり。256GBのiPhoneを使っているので、音楽はたっぷり入り。移動中と、研究室&書斎では常に音楽がかかっている生活。今年からAir PodsやAppleTVもゲットし、ますます快適に。
ライブにもよく通った。しかも、同じツアーを何度も見るという。ANTHEMとZIGGYのライブに通ったのだよな。好きなのだからしょうがない。洋楽の大御所アーティストの来日にもよく行った。
まあ、こんなふうに自然に楽しみ方は変化していくのだろう。うん。
いつも幅広い音楽を聴いているのだけど、その傾向は今年も顕著で。もっとも、メタル以外の日本のアーティストをどっぷり聴くようになったのが、大きな変化かな。
今年ハマったのが、このamazarashi。なんでもっと早く気づかなかったのだろう。現代社会を直視した詩の世界、静のようで過激なまでのエモさ、スクリーンを駆使したライブなどなど。ベスト盤もシングルもよかったけど、これだなあ。サマソニでのライブもいい感じだった。来年、ますますブレークするのではないかな。
PROPHETS OF RAGEの待望のアルバムは、怒りと革命マインドに満ちている感じ。来年の来日が楽しみ。
大好きなANTHEMの約3年ぶりの新譜は、ギターの清水昭男が半分近い曲を提供、外部の作詞家の起用、クリス・タンガリーディスによるトラックダウンという意欲作。うん、これは傑作。柴田さんにも直接、お伝えしたけど、「面白い」アルバム。
OUTRAGEの新譜も大人げなくていい感じ。メタルに回帰しているかも。バンド名を曲名にしたナンバーで終わるのだが、この暴れたくなる衝動こそ、彼らの魅力だよね。
今年はZIGGYの活動再開イヤー。ボーカルの森重樹一さん以外、オリジナル・メンバーはいないのだけど、でも、これは納得。今のメンバーは実は過去最高の布陣かも。音源もナイスだったが、ライブが良すぎて。ドラマーのCHARGEEEEEEの存在感がいいね。あの華と演奏力。和製トミー・リーは、今、完全に彼。
すごいファンというわけでもないのに、2回もライブを観ているBECK。今回の新譜は楽しいアルバムだった。そう、彼ってアルバムによって全然違っていて。楽しく聴けるので、ついついかけちゃう。
BECKと同時期にブレイクしたBjork。今回の新譜は実験的な要素がだいぶおちついた感じで。何度も聴きたくなる音かも。
教授の最新作は思わず何度も聴いてしまう、不思議なアルバムだった。メロディあり、ノイズありという。最近は、再録音系が多かったから。こういうオリジナル・アルバムは嬉しいな。
猛烈売り出し中のDAOKO。いや、騒ぐほど天才だとも思わないし、目新しくもないのだけど、思わず聴いてしまうかも。来年、ブレークするんだろうなあ。
最後にカバーアルバムを。中島美嘉によるこのアルバムは、彼女のエモさとピアノがいい感じで絡んでおり。アコースティックなのに激しい。選曲もナイス。amazarashiはこのアルバムがキッカケでやっと知ったという。彼女が歌う「ひろ」はいいねぇ。
来年も良い音との出会いがありますように。というわけで、頑張りすぎず、楽しくいきますかね。
最新作、よろしくね!
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年12月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。