波風を立てたくない、という一心で纏められたのだろう、と思うのが、昨年の年末に急遽公表されることになった自民党の改憲4項目である。
この4項目の内容やその提示の仕方を見て、大体の落としどころが見えてきた。
如何にも無難第一の細田さんらしいやり方だなあ、と思っている。
細田さんには糠に釘みたいなところがあるから、野党の皆さんがいくらいきり立っても議論は尖鋭化しない。
石破さんは、何とか自分の思いどおりの憲法改正案を自民党の案にしたいだろうが、とても今の自民党の中で多数派になれるとは思えない。
石破さんの憲法改正に賭ける情熱は強烈だが、しかし全体の和を第一に考える国対派の細田さんの柔軟でかつ強かな防護網を突破出来るようには思えない。
野党の皆さんは、今こそご自分たちの改憲案を積極的に提示されるべきである。
いい案だったら、細田さんはそれこそ丸呑みしてしまうかも知れない。
まあ、融通無碍と言ったらこれほど融通無碍なことは少ないのだが、細田さんは絶対に原理主義者ではないから、呑めるものだったら何でも呑んでしまう。
まさか~、とか、そんなはずはない、などと仰る方もおられるだろうが、まあ、おやりになって見ることだ。
現在自民党が提示している改憲4項目は、よくよく検討してみるとそう大したものではない。
自主憲法の制定を党是としてきた自民党としては、案外欲がない、と言っていいだろう。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年1月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。