一般的な文章でもそうですが、特にブログやSNSの場合、文章量が多くなりすぎないよう大幅に絞りこむ必要があります。なぜなら、ブログやSNSは本や紙の文章のように長文向きではないからです。スマートフォンで読む場合、移動中に読むことが多いことに加えて、文字も小さくて読みづらいです。モニターをじっと眺め続けると目も疲れます。
次のケースは、新車の宣伝文を写真とともにSNSにアップする場合です。以下、2つの例文のどちらのほうが「いいね!」が集まると思いますか?
「この新車は、エンジン6200cc/V12DOHC、最高出力740PS/8300rpm、最大トルク650N・m/6000rpm、サスペンションはダブルウィッシュボーンを採用しています」
「鮮烈なボディ、史上最強の赤!」
一般的に考えて、後者のほうがより多くの「いいね!」やリツイートを集めるでしょう。というのも、前者では、車ファンならそのよさを読解できるかもしれませんが、車に詳しくない人は何のことを言っているのかさっぱりわかりません。何が売りで、どこがアピールポイントか伝わりません。
後者は誰でもこの車の特徴は、車体の独特なレッドだということがわかります。このようにSNSで広く拡散されることを狙うには、媒体に合わせて文字数は少なめにしぼりこむこと、そしてあれこれと詰めこまず、アピールポイントを一つにしぼることが大事です。
ブログやSNSは広く浸透し使われていますが、確実に読んでもらいたい場合は、まずはコンセプトを明確に知って記事を用意する必要があります。まずはタイトルです。たとえば、「私の毎日の私的な日記」というタイトルのブログは、「私」が芸能人や有名アーティストなど、知名度のある人物でない限り、アクセス数が増える可能性は低いでしょう。
しかし、「DIY大好き主婦の手作りインテリア帳」「ガンダム歴30年!ガンダムに命を賭けた男のオタクライフ」というタイトルでしたら、あなたのことを知らなくても、DIYやガンダム好きな人が興味を示してくれるかもしれません。
まずはこの入り口となるタイトルで明確な差別化を図ることが大事です。そして、このようなタイトルをつけたら、中身の記事もタイトルに沿ったものでなくてはなりません。
DIYをうまくできるコツやガンダムの最新情報を知りたくてブログにアクセスしたのに、そこに書かれている内容が仕事の愚痴やランチタイムの写真ばかりだったら、せっかく興味を示してくれた読者も足が遠のいてしまいますよね。
そのため、ブログやSNSの記事を書く際は、まず全体のコンセプトをきちんと確認し、他の記事のタッチも参考にした上で書くといいでしょう。
参考書籍
『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)
尾藤克之
コラムニスト