こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
現職大臣(の秘書)が選挙区の有権者に線香を配布したということが、それなりに大きなニュースとなっています。
言うまでもないことですが、我々政治家が有権者に対して何か価値のあるものを提供・寄付することは公職選挙法で禁止されています。買収ですからね。
今回のケースは政治家の秘書が有権者にお線香を配っていたのですが、
「線香に氏名の記載がないので、直ちに氏名が類推されるとはいえない」
「政党支部の政治活動なので、政治家本人の選挙運動ではない」
ということが総務省の見解として発表されたようです。
んなわけあるかーっ!!
と多くの人が心の中で突っ込んだことでしょう。その政治家の秘書が配って歩いているのに、本人を類推しないなんてことは間違いなくありえないですよね。
このロジックが許されれば、色々なものを「秘書が」選挙区内で政党支部活動として配り歩けばいいわけですから、仁義なき消耗戦になることは間違いありませんし、有権者側にも「もらいグセ」がついてしまう恐れがあります。
実際に沙汰を下すのは総務省ではなく、警察・検察および裁判所になるわけではありますが、結局のところ野党も厳しく追及できずに終わるだろうな…と半分諦めの境地になっているのは、どうせみんな似たようなことをやっているからです。
上記の指摘のように、例えば野党第一党の山尾志桜里代議士も以前、同じロジックで政党支部から地元有権者に花束を贈っていました。
似たようなことをしている議員は大勢いて、党内にこうした議員が一人もいないということは考えづらいでしょうから、必然的に野党の追及はヌルヌルと鈍ることになります。
警察の方も、1人捕まえてしまったら国会議員の三分の一くらいを捕まえることになりかねないので、二の足を踏むことが容易に想像できます。
まさに「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉を地で行く状態なわけです。
悲しいけど、これ日本の国会なのよね。。
■
こうした事態が発覚する度に、少しでも世論を啓蒙して再発を防ぐ他ないのですが、それにしてもどこかで一石を投じてまとめて処分しなければいけないのではないか?と毎度のことながら強く思います。
公職選挙法違反→即辞職ではなくても、罰金刑を段階的に設けて刑罰を受けたことを周知する(≒次回の選挙では淘汰される)とかにすれば、警察や司法も動きやすくなるのではないでしょうか。
でもその法律を決めるのは今の国会議員なので…というジレンマの繰り返し。嗚呼。
いまだに夏祭りなどの地域イベントでは、秘書や親族の名義でお祝い金を政治家が平然と持参するのがまかり通っている政治・選挙の世界。
そうしたことに手を染めない新しい政治家が少しでも生き残り、増え続けてやがて多数派を形成→法律改正を成し遂げることを願うばかりです。
そんな新世代の若手政治家&その応援者たちに読んで欲しい本をひっそりとご紹介しつつ。
発売日翌日に早速買いましたが、刺激的ですよ!次回のメルマガで書評を書きますね。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年2月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。