現代の連絡手段は電話よりもメールが主流になりました。タイムラグがなくダイレクトに届き、相手の時間を奪わないものとして、メールは電話よりも欠かせないツールになっています。しかしメールは便利である一方、相手がいつ読むのかわからず、電話に比べて微妙なニュアンスが伝わりにくいというデメリットもあります。
覚えておきたい「忌み言葉」
たとえばビジネスメール。昨今のメールを見ていると、わかりにくい文章、不快な文章も多々あります。知らず知らずのうちに伝わりにくいメールを送って、ビジネスチャンスを失っている恐れもあるということです。人は見た目で印象を決めてしまうもの。仕事の場で身だしなみを整えるのは社会人の常識です。
メール文も身だしなみが大事。簡単な文章一つとっても、ビジネスマンとしてできる、できないを判断されてしまうこともあります。いや、簡単だからこそ文面で判断される、とも言えるでしょう。それでは、身だしなみの整った文章とはどういうものか、センスをワンランクアップする簡単なコツを紹介します。
まず、大人の常識として知っておきたいのが、「忌み言葉」。こちらは縁起がよくないとして使用を避ける言葉です。結婚式やスピーチのときに言わないほうがいいことは知っていても、いざ何が忌み言葉なのかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、知らないと恥をかくかもしれない!?忌み言葉とその言い換え例を紹介します。
〈「忌み言葉」の言い換え例〉
スタートを切る → 出発をする
○○を切る → ○○にナイフを入れる
思い切って → いっそのこと
飽きる → 満足する
別れる → 失礼する
帰る → 帰宅する、おいとまする、失礼する
家を出る → 新しい暮らしを始める
終わる → お開きになる
曲が流れる → 曲が聞こえる
時が流れる → 時がたつ
壊れる → 役目をまっとうする
最後 → 結びに
桜が散る → 桜の花びらが舞う
死ぬ → 旅立つ
○○を消す → ○○をオフにする
贈り物に添えるひと言
最後に、贈り物を送った際のひと言も紹介しておきます。せっかく贈るのですから、時効の挨拶だけで終わらせるのではなく、相手との距離を縮めるひと言を添えましょう。たとえば次のような一文です。
・ワイン通の○○先生にこそ飲んでいただきたい一品です。
・今秋とれたばかり。今しか召しあがっていただけない旬の品です。
・毎年○本しか発売されない限定品を入手できました。
相手を思う気持ちはちゃんと伝わるもの。その気持ちを素直に言葉にする。喜んでもらいたいという気持ちが伝わるよう、工夫をこらしてください。メールの文章自体はさっと目を通せますが、このさっと目を通す数秒で感じる直感はとても大きいのです。
参考書籍
『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)
尾藤克之
コラムニスト