「シェアハウス=悪」という発想は間違っている

内藤 忍

シェアハウスというと、今は個人投資家にとっては悪いイメージがあります。サブリースで賃料保証したにもかかわらず支払いを停止した「かぼちゃの馬車」の問題があるからです。

しかし「シェアハウス=悪」と言う発想は、短絡的で間違っていると思います。「かぼちゃの馬車」の問題は、シェアハウスのニーズがない立地に物件の大量供給を行い、管理が追いついていなかったこと、そして融資した金融機関のずさんな審査体制にあると思われるからです。

例えば、第7回世界の資産運用フェアに出展した湘南レーベルという会社が展開するシェアハウス「サニーサイドイン」(写真)は、地域を湘南エリアに限定し、入居者の集客方法に工夫をするなど、従来のシェアハウスとは全く異なるコンセプトで運営されています。

また、金融機関も大手地方銀行が物件を綿密に審査し、自己資金ゼロで35年までの融資を可能にしています。しかも金利は1.5%も可能です(属性によります)。

さらに自社でもシェアハウスを保有し、投資家と同じリスクを取ることにも事業に対する強いコミットメントを感じます。地域に密着し、ホテルから飲食まで幅広い事業を手掛けてきた実績があるからこそ、不動産専業の会社とは異なるアプローチで着実なシェアハウス市場の開拓が可能になったのです。実際、既に稼働しているシェアハウスはすべて満室。新しく完成する物件も完成前に入居が決まるという人気です。

不動産は、物件の魅力とファイナンスの工夫によって成功の確率を高めていくことができます。湘南という若者を惹きつける魅力的な立地と、賃貸ニーズを組織化によって安定化させる仕組み、さらに金融機関との密接な関係によって魅力的なスキームが作られていると思います。

従来の不動産投資とは異なるリスク・リターンがある投資対象として注目です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年2月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。