容疑者不明の殺人事件が起きたとき、捜査機関が真っ先に疑うのは被害者の家族だそうです。
とりわけ配偶者は重要参考人になることが多いのです。夫婦間のトラブル、保険金殺人、DV、等々…最も近い人間が殺人の容疑者である確率が高いからだそうです。
ですから、もしあなたの夫や妻が容疑者不明の殺人被害者となったら、真っ先にあなたが事情聴取されます。
捜査機関はセオリーに従っているだけで特段の悪意はありませんので、気を悪くせず捜査に協力しましょう。
このように、犯罪類型に応じて犯人像を絞り込んでいくことを犯罪プロファイリングといいます。
大きく「秩序型」と「非秩序型」に区分され、計画的犯行などは前者、突発的犯行などは後者とされ、犯行態様、現場の状況、遺体の損壊状況などから犯人像を絞り込んでいきます。
同じように、不倫にもある程度類似したパターンがあります。
男性の単身赴任者圧倒的に多いのが職場の女性と不倫に陥るパターンです。
東京に本社があり妻子を残して北海道や九州に単身赴任に行くと、札幌支社や福岡支社の女性社員と不倫関係に陥る男性が多いのです。全国転勤の多かった某氏は、かつて「ぼくは全国に恋人がいるんだ」と豪語していました。
聞いたときは根拠のない自慢話かと思っていましたが、その後多くの不倫事情を知るにつけ、“真実”だと信じるようになりました。
このように、お互いバレないように不倫をしているパターンを「秩序型不倫」とすると、「非秩序型」不倫は、水商売の女性が相手がであるケースが多いようです。
周囲からも「いいように手球に取られている」と軽く見られ、本人も堂々と遊んでいます。枕営業の不倫の場合は配偶者からの慰謝料は認められないという判決もありました。隠すことなく堂々と「同伴出勤」などをやっているのもこのパターンの特徴です。
もっとも、時として泥沼にはまって借金を重ねる人もいるので、その点では注意が必要です。
妻の不倫は、(そもそもバレることが少ないので)定型的パターンがあるか否かは自信がありませんが、私の経験では同じ職場の「秩序型」不倫が多かったように思われます。双方バレないようにコッソリとやっているのですが、同じ職場だと周囲に感づかれる事が多いのです。
接触頻度が多くなると相手に好意を抱きやすいという心理学上の「単純接触効果」を斟酌すると、同じ職場の相手が対象になりやすいという事情もあるのでしょう。
このような事情を斟酌すると、夫婦にとって転勤は大問題になります。
従来は夫だけが単身赴任するケースがほとんどでしたが、今後は夫と妻がそれぞれ別の地域に転勤するというケースもあり得るのではないかと危惧しています。
現在でも、概ね「総合職」として入社すると、「転勤命令には従う」というのが前提になっています。
夫婦ともに別の会社の「総合職」として入社した場合、夫は北海道、妻は九州というケースもあり得るでしょう。
AIG損保のように、一定のブロック内で転居のない勤務形態を採用する会社がでてきましたが、まだまだ少数派です。企業の人事担当者にとっては頭の痛い問題です。
従来は、男社会の論理で「現地妻の一人や二人どうってことない」と考えられていた風潮がありますが、自分の妻が「現地夫をつくる」となると人事担当者も慌てるのではないでしょうか?
人事移動ひとつをとっても、従来の男社会の論理では通用しないということを肝に銘じておくべきでしょう。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年2月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。