平昌オリンピックで緊急事態に遭遇:平昌視察報告

川松 真一朗

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

現在、平昌オリンピックに来ていますが、昨日(22日)は予想外の事態に出くわしました。そこで多くの学ぶべき事がありましたので報告しておきます。

想定外の事態が起こる

昨日の昼頃から現地で使っている携帯電話に緊急速報がちょくちょく入ります。日本で暮らしていると、緊急速報=地震というイメージですが、ハングルも読めませんし、揺れはないので一体なんだろうかと思っていました。その流れで、現地のメンバーと合流したので何か聞くと、「強風」への警報が発令されているとの事でした。

一旦、氷上競技会場である江陵のオリンピックパークに向かい、カーリング女子日本代表の試合を次の予定ギリギリまで観戦する事にしました。カーリングと言えば、カーリング文化を日本に持ち込んだ小林宏さんの縁で山中湖で体験して以来、老若男女が楽しめるスポーツだとテレビ朝日時代から普及に少しは貢献してきたものです。外の強風は体育館には関係なく穏やかに観戦が出来ました。

さて、その体育館を出ると外の様子が一変しています。風は一段と強まっていて野外の仮設店舗やパビリオンが次々とクローズになっています。ボランティアスタッフに混ざって、警察も出動し拡声器を使って何かを話しているのです。韓国語でしか案内がないので、どうなっているのか分かりません。ただ、今回、2020年大会組織員会と東京都がパーク内に設置したジャパンハウススタッフから「強風の為、オリンピックパークから退去命令が出されたようです。」との事で、来訪者に加えてボランティアや各施設のスタッフもパークの外に出ていきます。

この事が想定外で緊急事態であるのは、避難誘導スタッフがあちらこちらで仕事をされているのですが、その各所に世界のメディアが張り付いて撮影している姿から想像できました。仕事の邪魔にならないようにその一コマを私も撮っておきました。

パークの外では、大行列が出来ていました。これは当初のクローズ時間ではないタイミングで多数の人が外に出てきたものですからシャトルバスなどの車両が間に合っていなかったのではないかと思います。待っていると、カラーコーンが飛んだり柵が倒れたり、土埃に覆われたりし、何よりも風が強いので寒いという状態でした。

この後、選手村エリアにも立ち寄ったのですが韓国チームが滞在している一棟に掲げられたチームコリアの大きな旗が真っ二つになってしまったり、普段なら万国旗が掲揚されている所でも旗を仕舞い初めていたのです。こういう場面に出くわす事はないので、よく観察しておきました。

実際には大会運営側から厳密な報告があるかもしれませんが、瞬間的に東京大会に向けて注意すべきところは以下のような点です。

1、案内誘導は日本語がメインであっても多言語が必要。

今回、私達はオリンピックパークから出なければいけないという事態を経験したのですが、一体何が起きているのかは全く分かりませんでした。実際にパークにいる大多数は韓国人の方々です。基本は韓国語で問題ないのですが、英語も日本語もなかったのでジャパンハウス担当者に聞くまで本当に現状認識を出来ませんでした。語学ボランティアも東京都はこれからも募っていくわけですから、大会運営時のマスターから実際に現場の方々に情報が伝達されなければ意味がないなと思いました。

2、台風やゲリラ豪雨への備え

強風によって避難する事になった私達ですが、7月から8月にかけては注意すべきところがあります。勿論、台風などは事前の気象状況から判断できますがゲリラ豪雨はそうはいきません。現在でも、東京都下水道局などはゲリラ豪雨への備えは緊張感をもって24時間きっちりと自然と向き合っています。他にもインフラで対処できる事は都職員の精鋭が常に智恵を出しています。私自身もこの事を更に後押しする活動を議会で続けてきました。

3、晴海の選手村環境

現在、建設が進む晴海も埠頭に作る選手村ですから突風が予想されます。あくまで選手村は「村」と言われるアスリートがベストパフォーマンスを見せるためのコンディションを整える場です。この環境が良くないと結果として私達の目指す史上最高のオリンピックを実現できません。


編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2018年2月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。