サラリーマンを続けるべき「たった一つの理由」

これからは、組織の一員として仕事をしていくことがメリットではなく、デメリットになっていく可能性が高いと思っています。

いわゆる「サラリーマン」にも様々な勤務体系があるので、一概に決めつけるわけにはいきませんが、一般的な傾向として次のような傾向があるからです。

1、サラリーマンには時間の自由がない
会社に勤めている人は、基本的に決められた時間にオフィスに行かなければなりません。フレックス制度や在宅勤務も広がってきましたが、急に思い立って夜中に仕事をして次の日は昼まで寝るとか、天気が良いので午後3時間だけオフにするといった柔軟な勤務体系は現実には困難です。

2.リスク取る訓練出来ない
組織で仕事をしていると、自分で全てのリスクを取るという経験がなかなかできません。稟議を上げて、会議で決めていくというシステムは、民主主義的で良い印象がありますが、よく考えればリスクをお互いにシェアして責任回避しているだけとも言えます。

3.仕事が選べず変わるリスクある
専門職には当てはまらいかもしれませんが、やりたい仕事ができないのがサラリーマンです。私も不動産の仕事がしたくて信託銀行に入行しましたが、ずっと金融商品の運用セクションで仕事をしましt。また、人事異動で新しい仕事で自分の可能性が拓けるかもしれませんが、せっかく培ったノウハウや人脈を会社の都合で手放してしまうのは何とも勿体ないことです。

4.マーケット評価されない
会社の人事評価とは理不尽なもので、マーケットとズレて歪んでいることがあります。社外では使いものにならない人材が、高い人事評価で出世していったりする。逆に、有能な人材が上司との折り合いが悪く、冷や飯を食べされられる。閉鎖的な組織であればあるほど、世間の評価とズレた価値基準が残っています。

5.定年がある
サラリーマンには定年があります。仕事が何歳までできるのかは、個人差があって、人によっては80歳でも仕事ができると思いますが、役員にならない限り会社の規程で一定の年齢になると雇用形態が勝手に変えられます。

では、そんなデメリットばかりのサラリーマンを続けるメリットはどこにあるのでしょうか。それは「お金を借りる力」が持てることだと思います。銀行からお金を借りる際に、安定した組織に所属していることが大きな武器になるのです。

サラリーマンが全部ダメとはいいませんが、メリット・デメリットを考えれば、早く必要なお金を借りて、自分の意思で自由に仕事ができる環境にジャンプした方が、将来の後悔を防げる。これが自分自身の25年以上のサラリーマン経験を踏まえた結論です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年3月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。