不動産投資の成否を決めるのは「需給」と「管理」

こちらのサイトで6月から開催する第7期のご案内を開始している資産設計実践会ですが、現在開講している第6期のメンバーと、湘南のシェアハウスの視察に出かけました。

最近、このような国内外の視察は、公募しないでクローズドなメンバーだけで開催しています。

シェアハウスというと、2月にいきなりサブリースの利払いを停止したかぼちゃの馬車でトラブルに巻き込まれている投資家が話題になっているせいもあり、あまり良いイメージはありません。

しかし、今回視察した湘南レーベルという会社が展開するシェアハウスは、従来のシェアハウスとは、まったく異なるコンセプトでデザインされています。

まず、社名からわかるように、鎌倉、藤沢、辻堂、茅ヶ崎といった湘南エリアに限定。物件供給数も極端に絞っています。自社保有も含め、まだ100室以下しか管理部屋数が無く、今後も計画的に供給数を増やしていく予定です。

一方の需要は、湘南ブランドの根強い人気と、自社で運営するメンバー制組織「湘南シェアハウス部」の運営の強力な集客もあり、新しくオープンする物件は開業3ヶ月前には予約で満室という状態です。

また、シェアハウス運営で問題になるのが入居者間のトラブルです。ここは、管理会社の運営ノウハウが鍵になります。

湘南レーベルでは、入居者の事前面接を行い、入居者間のコミュニケーションをとるための食事会などの企画を密に開催して、満足度を高めています。

需要のある湘南にシェアハウスの展開エリアを限定し、供給を上回る入居者希望者を独自のマーケティングで確保。さらに、コミュニケーションを重視した丁寧な管理を徹底することで、高い入居者率と顧客満足度を実現しているのです。

湘南レーベルはシェアハウスだけを運営している会社ではありません。ホテル事業や賃貸住宅、さらには戸建ての販売まで手掛けています。不動産会社の発想ではなく、「ライフスタイルソリューション」というコンセプトで湘南に特化することで、極めて高い競争力を維持しているのです。

良質な顧客を囲い込み、ブルーオーシャン市場で強気な経営を可能にする戦略は、ユニークでパワフルです。

やはり不動産は物件のクオリティだけではなく「需給」と「管理」が重要です。一等地であっても需要の無い物件は価値がありませんし、管理がしっかりしていなければ賃借人の満足度は高まらないからです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年3月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。