先日来、台湾での会議以降、三重、アメリカ東海岸、鹿児島、青森と連日出張が続き、かつ地元選挙区のみならず永田町でも自分が事務局長を務める行政改革推進本部、金融調査会や青年局関連をはじめとした会議が目白押しで、国会の事務所にも地元の事務所にも立ち寄れない状況が続いたため、ブログの更新が相当久しぶりとなってしまいました。
ちょうどワシントンにて会議に向かおうとしていたときに、入ってきたニュースがトランプ大統領によるティラソン国務長官解任とポンぺオCIA長官がその後任にというものでした。
しかしその前のワシントンにおいて話題となっていたテーマの一つは間違いなく「北朝鮮情勢、米朝首脳会談」「台湾旅行法」等の東アジア情勢でした。
北朝鮮、特にカダフィ・フセイン両氏の最期を研究し尽くしているであろう金正恩にとっては核放棄をする合理性がない中で、首脳会談をするということが持つ意味は何なのか。アメリカによる北攻撃を極度に警戒し、かつ北朝鮮融和派の文韓国大統領が無理やりにセットしようと奔走しているのを金正恩が利用していることは百も承知というアメリカの政権中枢だからこそ、我々はその動向、意図を詳細に分析し、きちんとアメリカとのコミュニケーションを深めておく必要があります。
加えて、中国の習近平主席をはじめとした共産党、人民解放軍の動きは、習近平主席の二期目が始まった昨年10月の第19回共産党大会以降明らかにこれまでとは変化してきています。国内における任期制限の撤廃、台湾に対する単なるメッセージ以上の軍事的な示威行動。中国共産党が国内の政治情勢により台湾に軍事侵攻する可能性は否定できません。特にクリミアでロシアが軍事侵攻しても諸外国は何もできなかったこと、このことを中国共産党はじっと研究しているはずです。
我が国としても死活的に重要な台湾、台湾海峡、バシー海峡。日本としては現実的に最悪の事態を想定して法的にもソフト的にもハード的にも備えておかねばなりません。何よりも台湾は自由、人権、法の支配、航行の自由、日本やアメリカと価値を共有している国で、そこには2000万人以上の台湾人が自由に暮らしていますす。軍事独裁国家がここを侵攻することは断じて許されません。
そんな折、アメリカで台湾旅行法が上下両院で可決され、トランプ大統領もこれを承認しました。我が国としても有志の議員の間で台湾関係法が検討されていますが、その大きなボトルネックはアメリカの台湾関係法は台湾断交のタイミングでバーター的に行われたものなので中国も黙認せざるを得なかったものだ、というその経緯と歴史でした。しかし、ここでアメリカが断交後初めて台湾に対する法的認知を高めたということには極めて大きな意味があります。
中国の軍事的台頭と現実の挑発的行動は極めてアジア全体や世界秩序にとって深刻な脅威です。
我が国としても中国共産党が仕掛けてきているこの新たな情勢を受け、アメリカや台湾、ベトナム、オーストラリアやインド、イギリス、韓国と戦略的に連携をさらに強めていく必要があります。
編集部より:この記事は、自由民主党青年局長、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区)のブログ2018年3月21日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家 鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。