「年収1億円」目指すならサラリーマンを早くやめなさい

内藤 忍

日本経済新聞の12月決算で従業員の平均給与の高い会社のランキングが掲載されていました。最も高いM&Aのコンサルティング会社は平均で約1500万円。不動産会社でも1000万円を超える会社がありました。

年収1000万円というのは、サラリーマンとして「高給」であるかどうかの境目になる数字かもしれません。

しかし、これは組織に所属して仕事をする人たちの中での尺度に過ぎません。

友人が今月出版する新刊の帯に推薦文を書くために、原稿を完成前に見せてもらう機会がありました。その本の「はじめに」には、こんなことが書いてあります。

年収1億円と比較すれば、年収300万円も1000万円も大差ない。
会社に勤めて年収1億円を得ることができるのは、大企業の中の限られたトップだけ。
自営業であれば、投資家、起業家、個人経営者、になれば、年収1億円を実現することは、それほど難しいことではない。
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組織を離れて自分で仕事を始めるには、勇気が必要です。リスクもありますから、誰でも成功するとは限りません。

しかし、お金と時間の自由を手に入れたいと思ったら、その最短距離はリスクを取って「会社をやめること」から始まる。これは、厳然たる事実です。

組織に所属して雇用される側として仕事を続けていると、得られるものもあります。例えば、「お金を借りる力」は組織を離れて自営になった瞬間に失われてしまいます。再び手に入れるまでには、自営業で信用を獲得するまで時間がかかります。

また、名刺の肩書だけで仕事がスムースに進んでいたのが、独立した瞬間に手の平を返したように冷たくなる人たちも存在します。大企業の看板には大きな信用があるのです。

別に年収1億円なんて必要ないという人も存在するでしょう。年収1000万円で安定した生活をしたいという価値観は否定しません。どちらが良い悪いの結論はありません。自分の人生のデザインを自分で決めることが重要です。

ただ、サラリーマンという「あちら側」から、自営業という「こちら側」に、数年前に思い切ってジャンプした経験者としていえることは、向こう側で見ていた景色と、こちら側から見る景色はまったく別モノだということです。

世の中の多くのことは、いくら想像力を働かせたところで、実際にやったことのある人にしか見えません。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年5月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。