“なんちゃって地域政党”にくれぐれもご注意を!!
~「地域主権」の仮面を被った、力の政治の信奉者たち~
【知られていない非・国政政党議員の存在】
今月7日、昨年来の民進党の離合集散劇を経て、国民民主党と(新)希望の党が届け出られました。これは、近年、繰り返されてきた国会議員による動きであり、多くの地方(自治体)議員は、主体的に関わることなく、蚊帳の外に置かれたまま、またも翻弄されることになります。
このような今日に至るまで国政で政党の離合集散があるたびに、さかのぼれば07年無所属で江戸川区議初当選以来こう聞かれます。
「ところで上田さんは、何党なの?」
私は、こう答えます。
「志高い改革派地方議員と創った地域政党「自由を守る会」の代表をしています。都議会では、おときた駿議員と2人で「かがやけTokyo」という会派を結成しています。」
すると、大抵の皆さんはわかったような、わからないような微妙な表情となります。
まず「会派」というのは、各議会ごとに思想信条や政策が近い議員が作るグループで、政党単位で作られることが多いのですが、無所属議員が連携して会派を結成したり、政策の合う議員がいないとなれば「一人会派」もあり。いずれにせよ、徒党を組まぬ無所属議員には議会活動が制約されることがどこの議会にも散見されます。私は、江戸川区議会議員1期目は無所属「一人会派」でしたから、その、自由な思想信条に従い発言しようとしますと、悪しき議会慣習により様々な制約(質疑編、議会運営編)を受けていました。その後、いくつか改善を実現させましたが、「ふるい議会」は、本当に地域のために発言する少数会派を数を力に大会派が抑制しようと動くというのが特徴です。
一方、自称改革地域政党の大きな会派に入ったものの、所属会派により、有形無形の制約を受けることも経験しました。これでおわかりのとおり、会派というのは端的に言えば、議会運営をスムーズにするための議員グループであってそれ以上でもそれ以下でもないのに、国政政党・国政政局と連動する自称地域政党からすれば、「会派」は各議会に送り出した議員の出先機関、活動拠点と位置づけていることがわかります。
次に、議員の内訳を見ていきましょう。
国会議員総定数 → 707名(衆院465名,参院242名)
これに対し
全国地方議員 → 32,713名(都道府県議2,612名,区市町村議30,101名,昨年末現在,特別地方公共団体を除く)
この内、都道府県議会や都市部の区議会・市議会議会は、国政政党を名乗って当選し、国政政党名を名乗る会派に多くの議員が所属しているのが特徴です(総務省調べ)。地方に行くと、無所属議員の割合が高いように見えますが、実は党籍があったり、いざ国政選挙になれば、国政政党の候補を応援し、国政政党への投票を呼びかける「隠れ国政政党」議員が多数存在します。
この観点から行きますと、国政政党の動向に左右されない生粋の無所属・無党派議員は限られ、政党看板や親分国会議員の後ろ盾を持たぬ無所属・無党派議員は各議会の慣習・申し合わせという法律に基づかないマイルールによって、発言のチャンスが奪われる等制約を受けるのもお分かりいただけると思います。
こんな環境で議会活動を続けるのは中々シンドイものです(経験者談)。限界を感じた議員、あるいは勇気がない議員、次の選挙は楽したい議員が、無所属当選後国政政党に入党してしまう例を、私はいくつも見てきました。たいてい威勢よく「一人じゃ何もできない!だから国政政党に入って大会派に行き政党を内側から変えて議会を動かす!」と言うものです。結果、国会議員中心の国政政党のヒエラルキーに自ら陣笠議員として組み込まれ、必死になって衆院選挙を手伝わされ、いつしか最初に切った啖呵は忘れ去られ実現された例はついぞ見たことがありません。
寄らば大樹の陰の誘惑に負けて、有権者から託された議員活動の自由、政治活動の自由を自ら放棄してしまったことに気づいても、後の祭り。
【国会議員は地方議員よりエラいのか?】
これまで、無所属改革派というものが存在していなかった長い長い歴史の中で、
区市町村議会議員>都道府県議会議員>国会議員>国務大臣>内閣総理大臣(党首)
↓ ↓ ↓
「地方議員は国会議員の子分」「区市町村議員は都道府県議員の子分」
というような国政政党ピラミッド型ヒエラルキーが広く浸透し、それが「地方議員も国政政党に入っているもの」の固定概念が定着してきた理由です。
ちなみに、国と都道府県・区市町村との関係においては、中央集権体制を地方分権に改める2000年4月の地方分権一括法の施行により、機関委任事務制度が全面廃止され、国と地方自治体が「上下・主従」から「対等・協力」の関係が実現するとともに、地方自治体は自己決定・自己責任の原則に基づいて地域の実情に応じた行政運営を行うことが求められることになったのでした。
ところが、国政と地方政治の地方分権は、国政政党において政党ヒエラルキーが維持されているので、全く進んでいません!だから「ところで上田さん何党?!」となるわけで。地域政党の代表(党首)を名乗っている上田令子という存在は、国政政党ピラミッドからかけ離れ、見たことも聞いたこともないタイプ…けどずっと当選して議員やってるし…「???」とキョトンとされるわけです。
地方議員は、国会議員の子分でも召使でも下足番でもありません。両者は国政と地方政治を国民・地域住民のためそれぞれの持ち場で課題解決をし時に議論し時に協力もする本来対等な存在なのです。耳がタコになるほど国政政党および議会の大会派から聞かされた「政治は数だ!」。というのであれば、地方議員の方が多いのだから地方の言うことを国会議員は聞け!と言いたくなります。
【「地域政党」は国政政党の道具ではなく、地域住民(あなた)のために存在する】
昨今、国政野党の再編に参加しない国会議員とそれに追随する地方議員らによって、地域政党を設立しようとする動きが見られます。
しかし、この動きは、新党に参加しない(できない?)国会議員が主導するもので、本来地域政党の使命である地域に根差して地域課題の解決を目指そうと誕生したものとは、到底考えられません。
もちろん、地域政党がその使命である地域住民のための政策実現のため、必要となる国政マターの事案を国政政党・国会議員と対等性を確保して、連携することは否定しません。しかし、国政政局のご都合主義、国会議員の生き残りのため、行き場を失った「子分」である地方議員が2019年統一地方選挙を乗り越え、次の衆院参院選を見据えた統一国政政党で待ち合わせするためだけの「受け皿・止まり木・中継ぎ地域政党」として設立されるのであれば、国政政党隠れ蓑に過ぎず、私たちの「結党宣言」(下記抜粋)からすれば「なんちゃって地域政党」としか呼びようがありません。
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●本会は、人を、家族を、郷土を、日本を、地球を愛するがゆえに、国・地方を問わず、政治・政府に意見を述べ、提言し、批判することができる仲間が集い、助け合い、行動する自由を守ります。
●本会は、自立した国民と自治体議員のゆるやかな連帯に基盤を置いて地域主権型の運営をします。
●本会の運営は分権型を基調とし、本会に所属する自治体議員は、その自治体に係る諸政策を、本会の理念の具現化を念頭に置いて、自らの責任において立案、実行します。本会は、各自治体の政策に関しては、いわゆる党議拘束を行いません。
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今後「なんちゃって地域政党」が全国的に乱立されるとなれば、地域政治を担う議員が自ら国政のパワーポリティクス(力による政治)のヒエラルキーに取り込まれ、地域住民はまたしても置いてきぼりになるのではないか、と、今私は大変な危機感を持っております。
現在、「地域政党」の定義は、確立されたものはありませんが、これまでの私たちの地域最優先の取り組みとは著しく異質なものであり、「地域政党」を掲げていたとしても、全くの別物と受け止めます。
日本において、私たちのような地域住民のための地域政党が数多く誕生を期待する立場から、強い違和感を表明し、警鐘を促すものです。自民党じゃないから改革してくれると、離合集散野党国政政党のどこかで見た顔見たメンバーが立ち上げた“なんちゃって地域政党”に、ウッカリ投票4年ガッカリとならぬよう、くれぐれもご注意を!!
【お姐総括!】
地域政党「自由を守る会」は、「あなたの自由も私の自由も尊重し、困ったときは徹底的に助け合う地域社会へ。~私達の自由は、政府よりも尊重される~」をテーマに、基本政策を示して、都内の自治体選挙に臨み、17.11月葛飾区議選、18.2月町田市議選完勝!多岐ににわたる地域課題、日本を取り巻く喫緊の状況を鑑み、2019年統一地方選挙にむけて、政府・国政政治に翻弄されることのなく地域住民が主役となって地方自治と地方議会を動かしてまいります。
まずは、「上田さんは自由を守る会だよね!」と言われるように頑張りますので引き続き応援下さい!
☆お姐!ワルモノの後はニセモノか。身がいくつあっても足りないな?!☆
上田令子 プロフィール
東京都議会議員(江戸川区選出)、都議会会派「かがやけTokyo」政調会長、地域政党「自由を守る会」代表
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。
上田令子の世直しプロジェクト
地域政党「自由を守る会」
地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)
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