成功に必要なのは、たくさんの「小さな失敗」

今日は午後からとある金融機関の社員向けの研修会で講師を務めさせていただきます。200名くらいの方が集まるようですが、これからのお金との付き合い方がテーマです(写真は資産設計実践会の様子)。

人前で本格的に話をするようになったのは、2001年に始まった早稲田大学エクステンションセンターでの資産設計塾講座が最初です。この講座も18年目に入って、32回目になりました。最初の頃は講座の数日前から緊張して、講義の間に何を話していたか覚えていないくらい上がっていました。

それ以降、今までに数えきれないくらい講演やセミナーなどでお話してきました。少ないときは2~3名、一番多いときは幕張メッセのステージで数千名の前で登壇したこともあります。

今では人数に関係なく今や講演やセミナーの前に緊張することは、ほとんどなくなりました。

それは、とにかく場数をこなすことで「小さな失敗」を数多く経験してきたからだと自己分析しています。

セミナーや講演をリアルに経験すると、そこから得られるたくさんの気づきがあります。その改善点を次回に反映させ、またリアルに検証していく。その無数のループによって、何をどのように話すと人に伝えることができるのかというノウハウが自然に身についてきました。

私は話し方教室に行ったり、誰かにスピーチのコンサルティングを受けたりしたことはありません。プレゼンテーション資料の作成に関する書籍やDVDを購入して学んだ時期もありましたが、我流で自分の気づきや他の人のプレゼンを見て修正していくという繰り返しが最高の経験になったと思っています。

今年のボストンマラソンで優勝したことで一躍脚光を浴びた川内優輝選手は、来年からプロに転向するということですが、現在はまだ埼玉県の職員として、特別扱いはなく、平日は他の職員と同じように仕事をしているそうです。練習時間が制限され、他の社会人事業団の選手に比べ不利な条件で考えた練習法は、マラソン大会に出来るだけ参加して、本番で経験を積むことでした。

普通の選手は、トレーニングを重ね年間2回3回程度のレースにしか出場しないのに、川内選手はその数倍の大会出場をして、マラソン大会に出ることを最高の練習の機会にしているのです。

勉強や練習ばかり繰り返していても、リアルに始めて小さな失敗を繰り返さなければ本物の力は身につきません。これは、人前で話すことでも、マラソンでも、そして資産運用でも同じことです。

資産運用でいきなり大きなリスクを取るのはお薦めしません。しかし、リスクを取ることを過度に恐れる余り、セミナーに出たり本を読んだりしているだけで、いつまで経っても投資の第一歩を踏み出さないのは勿体ないことです。

自分のお金でリスクを取って始めてみることで「小さな失敗」に遭遇します。そこからセミナーや本では得られない、たくさんのことが得られるようになるのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年5月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。