東京大会のヒントになるかゴールドコーストの挑戦

川松 真一朗

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

コモンウェルスゲームズ開催

先月、オーストラリア・ゴールドコーストにおいてコモンウェルスゲームズが開催されました。これはイギリス連邦に所属する52の国と地域から70チームが参加し4年に一度開催されるスポーツの祭典です。英連邦のスポーツ大会ですから、イメージとしてはオリンピックに近いものですが、例えばイギリスはオリンピックにはイギリスで参加しますが、こちらにはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4チームに分かれて参加します。

東京大会のヒントを探る

当然、2020年を見据えた私からすれば、東京オリンピックとゴールドコーストコモンウェルスでは前提となる都市機能の差はあれど平昌オリンピック同様にヒントがあるのではないかと考えました。本来は大会期間中に渡豪したかったのですが、4月4日から15日までと日本の4月開始年度においては、どうしても日程の段取りがつきませんでした。ところが、折しも4月後半から連休頭に向けてラグビーに関連して渡豪のタイミングがありましたので、現地で様子を聞いてきたものです。

GCの交通オペレーション

特に、東京大会「成功の鍵」は交通オペレーションであるというのが私の主張です。ゴールドコーストは日本人にも人気の観光スポットでありサーファーズパラダイスを中心にホテルが建ち並んでいます。日本のように鉄道網が充実しているわけでなく、2014年にオープンしたトラム(路面電車)があるだけであとはバスが交通機関としてはメインです。人々の移動は基本的に車です。特に平日ともなればクインーズランド州都でありシドニー、メルボルンに次ぐ国内第3の都市であるブリスベンに仕事へ向かう方が多く、朝夕のラッシュ時には混雑しやすい道路事情があります。

渋滞ゼロを実現!?

ところが、今年の第21回大会は「渋滞はなかった」と現地の方が口を揃えていうのです。この政治判断というか都市運営が東京に当てはまるかどうかは別として参考になるかもと今日は記しておきます。

では、なぜ渋滞は起きるのかという車がそこにあるからという原点に立ち返り、ゴールドコーストではコモンウェルズゲームズ期間は学校を休みにして、できるだけ他の街に行っているようにと呼びかけたとのこと。大会専用レーンもあり、一般車通行車線は使用線が減るものの期間中は渋滞がなかったとのことです。現地で毎日のようにテレビ放送があり人気のプロラグビーリーグもゴールドコーストのスタジアムを使わない日程にしたとかで皆が協力しあった様子でした。

では、2020年大会中に環状2号線が完成しない事が分かった今、都心の車をどうするのかというのが私達の直面する課題です。築地市場用地が大規模な車両基地になる以上、この周辺の混雑緩和オペレーションは必須です。ましてや、ご承知の通り、銀座に至近であり、通常から交通量の多いところであります。ゴールドコーストでは渋滞ゼロが実現できたわけですが、これがシドニーだったら可能だったのかなど仮定論で言えば話がつきません。

東京大会はやってくる

今、東京都や大会組織委員会では交通オペレーションの研究を進めています。警察関係含めて、ここは腰を据えて取り組んでいます。どんな形であれ、2020年7月24日の東京オリンピック開会式はやってきます。そこまでにやれる事は徹底しておきたいのは誰もが同じだなと考えています。

一方で、日本人とくに東京人の「あくせく」し過ぎな社会環境も変えていきたいと思っています。新宿駅で我先にと、階段に向かう人など、どうしてそんなに怖い顔して急がなきゃいけないのかと最近つくづく思います。たまに乗るタクシーの乗務員さんも「急いで行きます。」と言われます。私は「無理して急がなくていいから安全運転でお願いします。」と話すわけです。

東京の経済活動をとめずに最高のオリンピックを

閑話休題、東京オリンピック時の東京の経済活動を止めるわけにはいきません。ですので、あまりにも露骨に車両制限を都内にかけるオペレーションは好ましくはありません。やはり、これを機会に真の意味での働き方改革、頭の柔軟性が生まれてくるような日々の活動における「価値の転換」が求められるのかもしれません。皆がイライラしないで毎日過ごせるような土壌作りこそ、20年を見据えた政治家が描く未来図のような気がしてならない今日この頃です。

東京都政を取り巻く環境については、現在あまりにも低レベルで夢と希望を感じない事柄が多く報道されています。豊洲市場隣接の賑わい施設に関しても、事業者と小池知事の間で中々コミュニケーションが取れていないようです。ここは、全関係者が素直に胸襟を開いて信頼関係を再構築するほかありません。大家さんとの信頼関係は本当に大切です。純粋に、皆がベストと思える環境作りに向けて今日も頑張って参ります。


編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2018年5月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。