こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
おじさん飲食店経営者VS子どもたち。どうなる?東京都受動喫煙防止条例
https://agora-web.jp/archives/2032650.html
来月の都議会で提案される予定の「東京都受動喫煙防止条例」を巡って、利害関係者たちのロビー活動が激化しています。
一昨日は子どもたちを受動喫煙から守るために厳格化を求める団体と、屋内禁煙化により売上低迷を心配する飲食店業界という、相反する立場の団体が小池知事に陳情したことが話題となりました。
こうした業界団体は都知事のみならず、都議会の各会派にも要望書などをもって回っておりまして、先日もJTを始めとするたばこ関連業界の方が18万筆を超える反対署名を持って議会棟に訪れていました。
そういえば同じく賛成の立場から署名活動をしている会派もありましたが、こちらもそろそろ数が公表されて提出されるのでしょうか…。
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さて、本条例案が提出される予定となっている都議会第二回定例会は6月5日告示、6月12日開会というスケジュールですが、実は条例案を巡る状況はここ2週間が実質的な勝負の分かれ目です。
というのも、告示日の一週間前となる5月29日には、都議会の各会派に対して都庁サイドより「提出予定案件の事前説明」が行なわれるからです。
ここで示された予定案件(条例案)が、そのまま都議会で可決される見込みは極めて高いと言えます。
…いや本来であれば、提出された条例案に対して色々な意見が噴出して、議会で活発な議論が行なわれて、対案や修正案が出されるのがあるべき姿であると思うんです。
しかしながら現実としては、議案提出サイドは不確実な修正を求められるのは非常に嫌がりますので、議案提出前に都議会の主要会派とは「水面下交渉」して、提出時には大勢が決しているというのが実情です。
そういう古い議会体質を、できるだけ改めようというのが東京大改革でもあったわけですが(遠い目)。
ご案内の通り現在の都議会の構成では、「知事与党」である都民ファーストの会は過半数を下回っており、議案の可決には公明党もしくは共産党の賛成が必要不可欠です。(自民党とは恐らく、ほぼ交渉チャネルがない)
都民ファ+共産党でギリギリ強行可決という構図に踏み切ることは考えづらいですから、やはりとりわけ、都議会公明党と水面下で激しい折衝が行なわれていることは間違いないでしょう。
29日に知事が示した厳しい素案通りの条例案が出てくるのか、後退した内容が出てきてしまうのか。
まさしくこの2週間弱が、都民の健康を巡る天王山と言えるわけです。
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とはいえ、都議会の力関係が重要なのは否定できないものの、最終的にこの事態を動かすのは民意・世論です。
民意の強い後押しがあれば知事サイドも強気な交渉ができますし、世論の同行を都議会の各会派も無視することはできません。
条例制定にあたっては、喫煙ルームを整備する補助費に加えて、屋外喫煙所を整備するための整備費補助も行なわれる意向が示されています。
決して喫煙者の権利や自由を阻害しているわけではなく、現実的な歩み寄りは十分に行なわれていると言って良いでしょう。
我々も少数会派ではありますが、引き続き8割を超える非喫煙者・理解ある喫煙者である都民と共に、知事素案通りの条例案が提示されるよう働きかけていきます。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年5月17日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。