5月20日に発表された4月の公社債投資家別売買高によると短期債を除いた数値で、都銀は1兆3560億円の売り越しとなった。3月の1796億円の買い越しから大量の売り越しに転じた。国債の投資家別売買高をみると都銀は、中期債は917億円買い越していたが、長期債は682億円の売り越し、そして超長期債は1兆3923億円もの売り越しとなっていた。4月ということもあり、いわゆる期初の益出しの売りとみられる。
これに対して海外投資家は4月も2兆1923億円の買い越しとなり、引き続き最大の買い越し主体となっていた。3月は1兆7688億円の買い越し、2月は9769億円の買い越しとなっていた。海外投資家は4月に中期債を1兆1230億円買い越し、長期債を7463億円買い越し、超長期債を2106億円買い越していた。
信託銀行は6303億円の売り越し、農林系金融機関も6912億円の売り越しとなっていたが、こちらも都銀と同様に益出しのための売りかと思われる。「その他」は今回も売り越していたが7419億円と、3月の2兆477億円の売り越し。2月の2兆2128億円の売り越し、1月の2兆2640億円売り越しからみて売り越し額は減少した。
債券相場は今年に入り1月の下落基調から、2月は回復基調となった。その後、3月以降は債券先物で150円台後半主体のもみ合い相場が現在まで続いている。債券先物は151円台に乗せる場面はあっても戻り売りに押され、方向感に乏しい展開となっている。現物債の商いも低迷し、債券先物は値幅が10銭に満たない日も多くなってきている。
公社債投資家別売買状況の下記データは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。
公社債投資家別差し引き売買高 ()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別
都市銀行 13560(13923、682、-917)
地方銀行 -4647(-656、-2701、-260)
信託銀行 6303(24、-313、5515)
農林系金融機関 6912(-1102、7788、-19)
第二地銀協加盟行 -997(-183、-428、50)
信用金庫 -1034(-237、895、39)
その他金融機関 342(254、1203、317)
生保・損保 -2264(-2309、772、325)
投資信託 -1130(-589、-841、903)
官公庁共済組合 -337(-278、0、0)
事業法人 -755(2、-247、0)
その他法人 1275(928、-189、926)
外国人 -21923(-2106、-7463、-11230)
個人 209(1、22、2)
その他 7419(4218、5690、1907)
債券ディーラー -756(234、-749、-199)
編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2018年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。