まもなくW杯:応援するしかない、は間違い。ブーイングする選択肢もある

松本 孝行

サッカーワールドカップが6月14日(木)から開催されます。もう2週間を切っていて、サッカーファンはワクワクが止まらないのではないでしょうか。と言いたいところですが、今回の日本代表を冷めた目で見ている人も多いでしょう。それもそのとおりで、今までワールドカップ予選を戦ってきたハリルホジッチ監督が、よくわからない理由でクビになったからです。

そのあたりの顛末は多くの方がご存知でしょうから詳しく書きません。先日の対ガーナ戦に敗戦した後、ワールドカップ代表選手が選ばれましたが、その後からサッカーのキャスターや芸能人といったテレビに出ている方々は「我々はもう日本代表を応援するしか無い」とおっしゃる方を多数お見かけしました。

上が決めたことに庶民は何も言えないの?

本当に我々は日本代表を応援するしかないのでしょうか?サポーターやファンはサッカー協会が決めたことに対して何も言わず、ただ応援するしか無いのでしょうか?サッカーにおけるサポーターやファンというのはその程度の存在なのでしょうか?

もちろんテレビに出ている方々はサッカー協会と同じくスポンサーがあってのことですから、スポンサーに配慮してハリルホジッチ監督の解任に関しては多くを語らないのでしょう。そしてサッカー協会のゴタゴタは横に置いて「我々は日本代表を応援するしか無い」と言うのも、スポンサーへの配慮を考えれば当然なのかもしれません。

ただ、我々一般のファンやサポーターというのは別にスポンサーに配慮する必要はありません。今回の日本代表に対して「応援する気にならない」という人がいても問題ありません。もっと言えば、こういったサッカー協会のおかしな決定に対して、ブーイングを浴びせる権利もあるはずです。特にサポーターとして様々な試合に足を運んでいる方は、なおさらブーイングする権利はあるでしょう。

先日もガーナ戦終了後にブーイングが起こったそうですが、「我々はもう日本代表を応援するしか無い」のであれば、拍手をするだけです。しかし我々ファン・サポーターにはブーイングをする権利があるのです

選手も従っているだけが役割なのか?

そしてもう一つ、本田選手がいいことを言っています。

全くそのとおりで、上の言うことをすべて聞く必要はありません。間違っていると思うのであれば、声を上げるべきです。1人の大人・1人の人間として、上の言うことに盲従することは、責任の放棄とも取れます。

だからこそ、本田選手やキャプテンの長谷部選手を中心に、監督解任に対して、サッカー協会に意見を言ってほしかったと思います。ワールドカップ2ヶ月前に解任、しかも理由がわからない…このような異常な状態にもかかわらず、選手はただ単にサッカー協会の決定に対し、従うだけでいいのでしょうか。

本田選手の言うように、すべてを服従するのではなく、おかしいと思ったら直訴してほしかった、そう思います。

我々には「応援しない」という選択肢もある

私は今はさほどサッカーを見ることはありませんが、それでもやはりワールドカップや日本代表はある程度見てきました。ハリルホジッチ前監督のサッカーが面白かったか?というと、面白くないこともありました。そんな浅いファンである私でも、今回の件が起こってから、急速に日本代表への熱が冷めてきました。

私はおそらく日本代表を応援しないでしょう。もちろんそれは私の勝手です。でも確実に「我々は日本代表を応援するしか無い」状況ではない、これだけは間違いないでしょう。テレビもスポンサー商売で自由に発言できなくて、タレントやキャスターの方も大変ですね。