「井上さん、思いがある国家公務員を紹介してくれませんか。「何にもしない合宿」で話してもらって、子どもたちの世界観を広げてほしいんです。」
「何にもしない合宿」を主宰する静岡県裾野市(すそのし)の小田圭介さんから相談を受けて、総務省の後輩・窪西君(くぼっち)を紹介しました。
窪西君の「何にもしない合宿」体験談です。
●地域づくりは日常の延長にある
何にもしない合宿は、月に一度の子どものお泊まり会
6/9は小中高大120人近くが遊びに来てました。
驚嘆すべきは、2012年から56回目。つまり月一ペースで行われていること。そして、オトナ側に疲れや飽きがないこと。それもそのはず、「何にもしない」のは子どもではなくオトナだからです。
体育館と寝るスペースを与えられた子どもたちは、いくつかの約束事を除けばあとは自由。ドッジボールやバスケはもちろん、持参したお菓子でお茶会をはじめる小学校の女の子たちもいれば、カードゲームに没頭する男の子もいます。大人数で遊ぶ人もいれば、仲良し二人で遊ぶ子も。何でもアリです。
「いーれーてー」と言えば、ほかのグループにも入れます。
オトナも、遊びに混ざってもいいし、別にオトナ同士で談笑しててもいい。久しぶりに来たオトナや、(お恥ずかしながら)僕の話を聞きたいと言って初めて来てくださった方もいました。
そこにあるのは、お泊まり会というちょっとしたスパイスの効いた日常です。そして日常の延長線で、多様な人間関係が構築され、それを元にいろんな企画が立ち上がっているとのこと。
地域づくりとは地域の課題解決だと考えていた自分には衝撃的な、新しいけど昔ながらの地域づくりです。
●「自分の子ども、みたいな子」
「自分ごと」の範囲を広げるにはどういうきっかけが良いか、ずっと考えてきました。いきなり「地域のために」何かをするのは、それこそ長年住んでるじいちゃんばあちゃんじゃないと難しい。
でも、「自分の子ども」のためであれば、オトナは何でもできますよね。
何にもしない合宿では、ニックネームで呼ばれるオトナが登場して、子どもと遊ぶ中で自然と名前を覚えられます。僕もくぼっち。
そして翌日。「あ、くぼっちだー」と声を掛けられたら、もうその子は「自分の子ども、みたいな子」です。何でもしてあげたくなっちゃう。その子のためにオトナたちがゆるやかに協力をはじめます。
しかも自発性に基づいているので、手伝えない日があっても、PTAみたいに、「あいつサボってる」とはなりにくい。こうして、56回目を迎えたといいます。
●次回は7/21(土)だそうです
2時間ほど遊んだあと、仕事の話や、何で国家公務員になったかを話しました。
対象は中高生全員とオトナ数人。約50名。
遊びたくてしょうがない子もいて、わーわーやってる中、めちゃめちゃ真剣な眼差しで話を聞いてる子もいます。こちらがビビるくらい真剣です。ごまかしの効かない30分でしたが、少しでも何かが伝わったら嬉しいです。
小田さん、おやじの会の皆様、貴重な機会を本当にありがとうございました。また国家公務員に仕事の話をして欲しいとのことなので、やってみたい人がいればぜひお声掛け下さい!
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編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年6月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。