知能が高くても「情報格差」の壁を超える事はできない

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

私はZUU onlineというメディアで、富裕層の思考や行動について記事を書かせて頂いています。先日、貧富の差を生み出しているのは収入格差ではなく「情報格差」という記事を書かせて頂いたところ、News Picksで970以上のPicksとともに、たくさんのコメントを頂きました。詳細はぜひURL先の記事をご覧くださいませ!

さて「情報格差」というテーマについては、人によって理解度がかなり分かれる分野です。今回はZUU onlineの記事の中で書ききれなかった「情報格差」についてお話させて頂きたいと思います。

ネットは100%情報をフラットにすることはできない

ネットの登場は情報をフラットにしたかに思えます。今は誰もがスマホを持ち、それをポケットから取り出して検索すれば必要な情報を好きな時に取り出すことができ、知識や情報の優位性は「全てがフラットになった」と錯覚をしてしまいます。一昔前の世界一権力を持っている王族でも出来なかった芸当が、現代人はできるようになったわけです。

しかし、ネットは万能ではありません。情報を得るためのツールであるネットですがネットで検索しても出てこない情報はいくらでもあります。ZUU onlineの中で私は

 デジタルデバイドはITの活用可否が格差を生み出す話だが、お金持ちと一般人と分ける情報格差が先進国である日本にも存在する。お金持ちの人たちは、一般の人たちがアクセスできない情報をアクセスでき、それが貧富の差を生み出す一要素になっているということだ。

と書かせて頂きました。先進国日本においても、ネットにすべての情報が誰にでも手に入る形で提供されているわけではないのです。

多くの人が知らない情報や有益なものは、いつの時代も「人」が持っています。そしてその情報は、富裕層やビジネスで成功を収めている人たちのインナーサークルで共有されているものなのです。ことビジネスチャンスにおいては特にそうです。

たった一つの情報との出会いで人生は変わる

情報は「知っている」というたったそれだけで、知らない人に対してとてつもない優位性を発揮する性質があります。

これまで様々な人に出会ってきましたが、とてつもなく知能が高い人が思うように能力を発揮できず、小さい世界でくすぶっている一方で、その逆にそこまで知能を発揮せずとも情報の優位性ですごい年収を稼ぎ出しているケースをいくつも見てきました。

これは同記事の中で少しだけ触れた話ですが、知人に面白い人物がおり、彼もその一人です。彼は底辺大学を卒業した後も「満員電車なんて乗ってられるか!」と就職せず何年もコンビニバイトをしてきました。

彼はバイトをしながら最初に取り組んだのはFX。バイトで稼いだなけなしのお金をFXにつぎ込み、見事に玉砕してしまいました。そしてアフィリエイト、せどり、輸出ビジネスと様々なネットビジネスに手を出しては、まったく成果を出せず、最後には両親に土下座をして借金をしましたもののそれも失敗しています。

「バイトを辞めてアフィリエイトに尽力し、一日10数時間必死にやって一ヶ月間で稼いだお金が4000円!その翌月はもっと頑張って3000円!これでやる気が出る方がどうかしている…」そういってすっかり腐っていた時期もあったといいます。

ところが、彼の人生はたった一つの情報との出会いで大きく動き出しました。ネットビジネスの成功者が集まるパーティー会場で紹介されたビジネスに、彼の魂は燃え上がりました。

「何をやっても失敗続きで自信を失っていたけど、なぜかこれは成功する気がした」と彼は当時を振り返ります。そのビジネスはほとんどの人がまったく注目していない、少々アングラなビジネス(もちろん合法)。彼はそのビジネスで一気に大躍進し、今では金融機関のエリートビジネスマン並の年収を維持しており、投資した不動産から毎月賃料収入を得ています。

その情報との出会いを経て、そのような成果を収めたわけですが彼の知能が大きく飛躍したわけではありません。「他の人が知らないビジネスチャンスという情報を得た」、たったそれだけなのです。

知能は固定値、情報は変動値

私は彼を見ていて、「経済的成功を決める要素は、生まれ持った知能もそうだが、情報力の差もまたかなり大きい。」と感じます。彼は大学卒業後から30半ばまでほぼニート、社会人経験もノウハウも何もありません。そのため、全然一般常識がなくて性格も適当な人物ですが、「お金をものすごく稼ぐ」ということを長期的に継続出来ています。

正直、私は今の彼を見て特別に知能や能力が高いとは感じません。しかし、そのビジネスはものすごく稼げるのに、多くの人がその事実を認知していないために、彼はおいしい果実を味わえているわけです。あのビジネス、他のもっと頭のいい人がやればおそらく彼以上に成果が出せると思います。

知能は生まれ持ったときからの「固定値」ですが、情報力は「変動値」です。この変動値を一気に引き上げることで、ビジネス上の優位に立つことが出来るわけです。

金持ちには詐欺話ではなく儲け話が来る

「金持ちには儲け話が来る、貧乏人には詐欺話が来る」という言葉があります。フェアな世界を望むものにとっては、「貧しくとも頑張っている者にこそ、チャンスを与えよ」と憤慨したくなるような話ですが、この皮肉な表現にはある種の合理性があります。後者はともかく、富裕層の元には詐欺話より儲け話が来るというのは本当だと思っています。

富裕層を相手にビジネスをする人は、相手を騙すより得をさせる方が自らの利益を最大化することが出来ます。その気になれば富裕層に粗悪品を売りつけて利益を上げることは不可能ではありません。しかし、お金を持っている人ほど普段からいいものを見る目が肥えていますから、買ったものが粗悪品であることが分かったら二度と買わないでしょう。それよりも彼らに良質なものを提供することで、「いい買い物が出来た。また買おう」と思ってもらい、二度目、三度目の注文を継続的に得る方が大きく見て得をするというわけです。

情報との出会いは人の人生を変えてしまう力があります。良質な情報へ投資をする、という思考を持っておくのは重要だと思っています。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

参加費無料!講演のお知らせ
公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)が主催する、「JAGAT Summer Fes2018」にてネットマーケティングとブランディングをテーマに講演させて頂きます。

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。