こんにちは、都議会議員の鈴木邦和です。昨日、都議会の2017年度分の政務活動費が公開されました。
上記事にもありますように、今回の2017年度分の政務活動費では、業界団体などの「会合費」が前年度のわずか10%まで激減しました。これは、昨年12月の議会改革検討委員会にて「飲食を伴う会費への支出禁止」が決まった影響です。政務活動費の見直しは、都民ファーストの会が掲げた公約の1つでもありました。
都議会では、議員1人あたり月50万円の政務活動費が支給されています。年間にすると600万円にも上り、かつては「第二の議員報酬」とまで云われていました。しかし、現在は政務活動費の使途について厳しいルールが適用されており、多くの項目で見直しが行われてきました。
では、飲食費が禁止された今、年間600万円の政務活動費は一体何に使われているのでしょうか?今回は参考までに、私個人の一年間の支出内訳を公開したいと思います(期間は2017年8月〜2017年7月)。
・総評
上画像がこの1年間の内訳です。会派運営費30%、秘書・事務所費27%、レポート42%という形で大別できました。私自身は、なるべく疑念を持たれることのないように、政務活動費で細かい支出をしないようにしています。これらで合計593万円となっており、残りの7万円は現時点での未使用金です。以下で各項目を少しだけ解説しますね。
・会派運営費180万円
都民ファーストの会では、議員1人あたり毎月15万円の会派運営費を負担しています。これは会派の政策調査をサポートして下さるスタッフの方々への人件費や、会派の広報誌発行に充てられています。都議会では、自民党や公明党など他の会派も、その運営費に3割ほど充てています。
・秘書人件費89万円 / 事務所費73万円
地方議員には、公設秘書の制度がありません。特に都道府県議員の業務は多岐にわたることから、多くの方が私設の秘書を雇っています。一般的に秘書の人件費は、政務活動費から半額、残りの半額は自己資金と決められています。また、事務所費も同じ扱いとなっており、私の場合は合計162万円を議員報酬からも直接支払っている形になります。こうした経費が多く存在するため、議員の手取りは額面より大きく下がります。
・広報誌配布156万円 / 印刷78万円 / デザイン17万円
議員は地元の有権者に対して、定期的に広報誌を発行しています。私は、これまでに広報誌を8回発行し、そのデザイン・印刷・ポスティング費用として支出しました。インターネットの発信だけでは、多くの有権者へのリーチが難しいため、私たち議員はまだまだ紙媒体にも頼らざるを得ないのが現状です。広報誌は、市民からの広聴に主たる目的があるという考えから、毎回必ず意見交換会の案内を掲載しています。
政務活動費の原資は税金であり、その透明性を確保することは当たり前です。今年からは都議会のホームページにて、各議員の詳細な支出状況を全て公開予定です。今後、地方議会に対する有権者の信頼を少しでも取り戻していくためにも、政務活動費のネット公開が全国に広がっていくことを期待しています。
編集部より:この記事は東京都議会議員、鈴木邦和氏(武蔵野市選出、都民ファーストの会)のブログ2018年8月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は鈴木氏のブログをご覧ください。