こんにちは!肥後庵の黒坂です。
はてなに投稿された「旦那が劣化していく」というお題が話題を呼んでいます。
結婚してから旦那がぐんぐん劣化していく
太った
いびきまじでうるさい
足臭い
えづく?(おじさんが洗面所でやるやつ)
爆音の放屁
結婚しなきゃ良かったとは思ってないけど
もうちょい異性として、人間として、好きでいさせて欲しかった
嫌悪感が、生理的にご遠慮願いたいレベルに入ってしまった
何より嫌なのは、何度言っても改善されないとこ
もう自分に対して、好かれる努力をしてくれないのかーと思うと、悲しい気持ちになる
土日寝てばかりなのは、疲れてるだろうししょーがないけど
デカい体で横たわられてると、必死こいて子の面倒見てるのが悲しくなってくる
正直、ちょっとジャマなんだよね…
出典元:旦那が劣化していく
この投稿に対して反応は様々です。
「さっさと離婚するべき。年齢を重ねると変化できない」
「カッコつけたいと思わないのは奥さんに魅力がないから」
「ハッキリと指摘すればいい、コミュニケーション不足」
なるほど、それぞれ分からなくもありません。この投稿を見て、おそらく男女でかなり違う意見になるだろうと予想します。男性は「仕事で頑張って働いているから疲れているんだろう。支えるなら分かるが妻が夫を劣化したなどというあたり、愛情の欠片もない。やはり結婚なんてするもんじゃない」、女性は「釣った魚に餌をやらないのはいかにも男性という感じ。おっさんはこれだから嫌だ」とそれぞれの男性側、女性側に立った意見が出るのでしょう。
今回は個人的に感じたところをお話させていただければと思います。
相手に不満があるのは「期待値が高いから」
この話、問題は不満が発生していることなのです。同じようにパートナーがオナラをしたり、洗面所でオエーっとやっても何も気にしない人もいます。この違いはどこから来ているのでしょうか?
その答えは「相手への期待値」です。相手に「こうやってほしい」という期待を持っているのに、それが満たされない行動が取られた時に人は不満を抱くものです。これは夫婦という関係だけでなく、友達でも上司部下の関係でも何でも同じです。反対に期待値が低い相手であれば、多少何をしても腹を立てることはありません。人間関係とはすなわち、「期待値の高低が争いの有無を決めている」といっても過言ではないのです。
私は会社員をやっている頃、何度か飲み会に参加することがありました。課長や部長が「よし、今日は飲もう」というとみんなぞろぞろと飲み屋に行ったものです。その際、人によって奢ってくれたり、割り勘だったりと色々でした。で、参加者の人達は裏で割り勘にした上司の悪口を言っていました。「あんなに給料をもらっているのに、割り勘かよケチ」と。上司は上司で新人を捕まえて、「普段色々教わっている上司にはもう少し気を遣かった方がいい」とプチ説教をしています。
上司も部下も文句をいうのは相手への期待値があるが故に文句を言っているわけです。部下は「上司は自分たちより給料が高いのだから奢って然るべき」と考え、上司は「普段色々と助けてやっているのだから、酒の席では自分の頑張りを労い、気を遣うべき」と、自分の期待を裏切られたことへの不満を出しているのです。
私は上司の立場、部下の立場両方を経験しましたが、相手には「こうしてほしい」という期待を持たないようにしていました。もちろん、仕事をする場では自分のポジションを全うするのは義務ですから、パフォーマンスが期待に満たない時は感情が動く瞬間はありましたが、仕事は仕事です。それ以外の場面で、「相手はこうしてくれるべき」「このくらいやってほしい」という期待を持つのは自分勝手ですらあると思っています。ですので、奢らない上司、気遣いをしない部下に腹を立てたことは全くありません。
さて、今回の記事で取り上げられている夫婦の場合、妻が夫へ期待している部分が残っているように思えます。
「オナラやえづきは人前ではするべきではない」
「ぶくぶく太るのはみっともない」
「仕事で疲れているのは分かるけど、休みの日は子育てを手伝ってほしい」
といった期待です。どれも過剰な期待とは思いませんし、落胆する気持ちはよく理解できます。夫の側は別に奥さんを怒らせようと思ってやっているのではなく、こうした奥さんの期待値を満たすだけのモチベーションを失っていて、奥さんはそれを不満に思っているという状況です。不満は期待を持っていることから生まれています。
コミュニケーションで状況は改善できる
円満な夫婦関係は「コミュニケーションが9割」と私は考えています。この夫婦の関係を改善するためには有効なコミュニケーションを取るしかないと思います。
「生まれ持った性格を大人になってから変えることは非常に困難である」、このことは誰もが理解している事実です。短気な人は年をとってからも短気ですし、細かい性格の人は年をとってからも同じ性格をしています。いや、年をとるほどますます顕著になるといいっていいでしょう。
年をとると感情を司る前頭葉が衰えますから、我慢する力がなくなり、ますます性格が全面的に出てしまうと分析する精神科医の専門家もいるのです。それを知った時、夫の行動に不満をいだいている奥さんにとっては絶望しかないように思えます。「性格は一生変わらないのだ」と言われて、「じゃあもうどうすることも出来ないじゃん」と感じてしまいますよね。あなたもそう思ったと思います。
しかし、有効なコミュニケーションを取ることにより、長年の悪習を改めさせた事例があります。
長年の習慣を変えた魔法の言葉
それはこんな話です。家のトイレで立ちションをする夫に対し、何度も奥さんが注意をしてきました。「立ってオシッコをすると、周囲に飛び散って掃除が大変だから座ってやって」と。それを言われた夫は「なんで自分の家でトイレくらい自由にさせてもらえないんだ!うるさいな」と反論し、一向に言うことを聞いてくれなかったといいます。この話、「奥さんあるある」ですよね?何回も「もうやめてっていってるでしょ!」と声を荒げるも、夫も「細かいことをいちいちうるさい」と言い返して来たそうです。
しかし、長年言うことを聞いてくれなかった夫の行動を変え、二度と立ちションをしなくなった魔法の言葉があります。それは「最近、◯◯ちゃん(娘の名前)がトイレの中でおもちゃで遊ぶのよね」というものです。それを聞いた旦那は以後、座って用を足すようになったそうです。自分が立って用を足すことで、娘が遊ぶ上で不衛生になることを理解したのです。この旦那さんは娘をかわいがっていましたから、自分の習慣化している行動が自分にデメリットになると理解したらすぐにやめたわけです。
性格を変えることができなくても、コミュニケーションの取り方により長年の悪習を改善させることが出来るのです。
相手の感情を動かすコミュニケーション
今回のこの記事の夫婦関係を改善するコミュニケーションとは、「夫の行動に改善を求める」ではなく、「相手の感情に訴える」というやり方が有効かもしれません。
人は自分を動かそうとするものに警戒心を抱く動物です。詐欺師や、権力者に畏怖の念を抱くのは、相手が自分をコントロールしようとするからです。ですので、「その行為に対して自分は不快に思っているので改善しなさい」といっても改善は難しいでしょう。今回の場合は「私はあなたを信じている」と伝えることが有効な手段になるかもしれません。
例えば太っていることを改善してもらうにあたり、夫は「オレはもう出世コースから外れているから見てくれが太っていても構わないし、他の人からどう思われても構わない」と思っていることでしょう。そんな時に、「あなたはそう思っているかもしれないけど、私、あなたは仕事が出来てこれからまだ上を目指してくれる人だと信じている。それにいつまでもかっこよくいてもらいたい。健康になるためにも、まずはダイエットに挑戦してみるのはどう?」と伝えてみると良いでしょう。
人は自分を信じてくれる人を簡単に裏切ることは出来ません。「信じているからね」、この気持ちを伝えるだけで、好き放題食べてぶくぶくと太ってしまう相手の箸を止める力を持っています。
この記事の奥さんの不満はよく理解できるのですが、夫へのコミュニケーションを図ることで改善できる余地が残っているのかもしれないと感じました。
黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
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